『法人番号公表サイト』と『法人インフォ』サイトの活用事例
リエ「黒田さん、年末調整等で従業員のマイナンバーは慎重に扱わなければならないというのは承知していますが、法人番号は公表されているものだから、特に取扱いに注意する必要はないという認識で問題ありませんか。」
黒田「はい、その通りです。法人番号は国税庁の法人番号公表サイトで、誰でも閲覧できるようになっていますので、その認識で問題ありません。」
リエ「わかりました。ところで法人番号が付いてから、様々な書類に法人番号を記載しなくてはならなくなりましたが、法人番号を記入する手間が増えただけで、特にメリットを実感することはありませんね。」
黒田「ほとんどの方はそうだと思います。国民の利便性向上というのも目的の一つでしたが、それが実現しているとは思えませんね。」
リエ「何か具体的なメリットはないのでしょうか。」
黒田「それほど大きなことではありませんが、先ほど申し上げた国税庁の『法人番号公表サイト』や、経済産業省の『法人インフォ』サイトに、活用事例が紹介されています。」
リエ「どういった活用事例があるのでしょうか。」
黒田「やはり調査という面での活用になりますね。例えば、飛び込みで来た営業マンから名刺をもらった場合、名前や住所を法人番号公表サイトで検索して該当する法人があれば、少なくとも登記はされている会社であることは確認できます。またデータをダウンロードすることができますので、都道府県や市区町村、法人番号が指定された年月日等で絞り込んで、営業用のデータとして活用することも紹介されています。」
リエ「経理の私ではそれにどの程度の価値があるのかは分かりませんが、営業の方なら知っておいて損はないという程度でしょうか。『法人インフォ』というサイトはどんなサイトですか。」
黒田「『法人インフォ』は、法人番号公表サイトのデータに、各府省庁からそれぞれの法人について公表されているデータを加えています。あくまで元々各府省庁で公表されているデータに限りますが、各種認定や届出情報、特許や商標登録に関する情報などが記載されていて、例えば、介護福祉士学校であることや、○○という商標を所有していること等が確認できますし、中にはいわゆる入札の指名停止措置を受けたといった悪い情報も記載されています。取引先の信用調査をこれだけで済ますわけにはいきませんが、調査の補完という面では無料かつ手軽という点で一定の価値はあるかもしれません。」
リエ「なるほど、元々公表されている情報ではあるけれど、法人番号によってバラバラだった情報を紐づけることができたということですね。当社でも新しい取引先は信用調査を行うので、今後はそのサイトも活用してみます。」