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仮想通貨に代えて金銭補償

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仮想通貨NEM流出事件

仮想通貨交換業者であるC社は、2018年1月下旬、外部からの不正アクセスを受けて、仮想通貨「NEM」約580億円分(当時のレート)を流出させてしまいました。

3月上旬からは、上記不正流出の救済として、対象となる顧客約26万人に総額約460億円の補償をスタートさせました。

一方で、4月16日、大手金融会社がC社を完全子会社化し、経営体制を刷新するとしました。

損害賠償金であれば非課税

上記の補償が、税務上のいわゆる損害賠償金に該当するのであれば、税金のかからない非課税となります。

NEM所有者からすると、売りたくもないのに強制決裁されたのだから、損害賠償金だという主張もわからなくもないのですが、残念ながら、4月16日に国税庁より、下記のお達しが出ました。

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仮想通貨交換業者から仮想通貨に代えて金銭の補償を受けた場合
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(質問)
仮想通貨を預けていた仮想通貨交換業者が不正送信被害に遭い、預かった仮想通貨を返還することができなくなったとして、日本円による補償金の支払を受けました。

この補償金の額は、預けていた仮想通貨の保有数量に対して、返還できなくなった時点での価額等を基に算出した1単位当たりの仮想通貨の価額を乗じた金額となっています。

この補償金は、損害賠償金として非課税所得に該当しますか。

(回答)
一般的に、損害賠償金として支払われる金銭であっても、本来所得となるべきもの又は得べかりし利益を喪失した場合にこれが賠償されるときは、非課税にならないものとされています。

ご質問の課税関係については、顧客と仮想通貨交換業者の契約内容やその補償金の性質などを総合勘案して判断することになりますが、一般的に、顧客から預かった仮想通貨を返還できない場合に支払われる補償金は、返還できなくなった仮想通貨に代えて支払われる金銭であり、その補償金と同額で仮想通貨を売却したことにより金銭を得たのと同一の結果となることから、本来所得となるべきもの又は得られたであろう利益を喪失した部分が含まれているものと考えられます。

したがって、ご質問の補償金は、非課税となる損害賠償金には該当せず、雑所得として課税の対象となります。

なお、補償金の計算の基礎となった1単位当たりの仮想通貨の価額がもともとの取得単価よりも低額である場合には、雑所得の金額の計算上、損失が生じることになりますので、その場合には、その損失を他の雑所得の金額と通算することができます。

利益の場合は雑所得

上記の通り、「補償金-NEMの取得価額=雑所得」となります。

平成30年の所得なので、来年である平成31年3月15日までに、確定申告をする必要があります。

ちなみに、NEMの取得価額が補償金の金額より高くて、マイナスとなる場合は、年金などの他の雑所得と損益通算することが可能です。

売りたくもないのに無理やり売らされて税金払えとはヒドイ!、というご意見もあるようです。

NEMのまま返還できれば、このようなことにはならなかったのですが・・・。
返ってきただけ得と考えるべきか・・・。

執筆者情報

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今村仁

マネーコンシェルジュ税理士法人 代表 

会計事務所を経験後ソニー株式会社に勤務。その後2003年今村仁税理士事務所を開業、2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組、代表社員に就任。相続承継M&Aセンター株式会社、代表取締役社長。税理士・宅地建物取引主任者・CFP等

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2018.05.21 16:10:44