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訂正:固定資産と一括償却資産の違い

税務
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お詫び)2017年10月3日掲載のコラム「OLりえちゃんの経理奮闘記:固定資産と一括償却資産の違い」の中で一部内容に訂正がございます。
訂正内容:所得税法上は、3分の1ずつ償却のため、3年均等償却の表現で問題ありませんでしたが、法人税法では、4年、5年にわたって償却することも可能であり均等償却という表現は不適切でした。所得税法と、法人税法の取扱いが異なることが分かるよう訂正いたします。お詫び申し上げます。


恵子「先輩、黒田さん、こんにちは。確定申告の手引きを見ているのですが、固定資産と一括償却資産の違いがよく分からなくて。教えてください。」

黒田「もちろんですよ。まずは、固定資産について説明しますね。固定資産とは、会計上、貸借対照表の資産の部に計上されるもので、具体的には、建物やコピー機、パソコンなど多様多種なものがあります。固定資産のうち、減価償却資産※1は、耐用年数に応じて減価償却費を行っていきます。」

リエ「耐用年数は、使用可能期間のことよ。法律で、資産の種類ごとに耐用年数が決められているから、実務上はその期間で減価償却していくの。ほら、これを見て。」

リエちゃんは、恵子ちゃんに法定耐用年数表を見せて説明をします。

恵子「パソコンは4年で減価償却をしていくのですね。」

リエ「次は、一括償却資産ね。所得税法上、”一括償却資産の必要経費算入の特例”という制度があるのだけれど、その対象となる資産を一括償却資産というのよ。この特例を選択すると、耐用年数に関係なく、事業に使用した年を含めた3年間で均等償却をすることになるの。」

恵子「均等償却ですか?」

リエ「毎年、同じ金額を償却するということよ。要するに取得価額の3分の1ずつ損金算入するってことね。ただ法人税法上の取扱いは若干異なるから注意してね※2」

恵子「どのような資産でも、この特例を適用できるのでしょうか?他にも注意点があれば教えてください。」

黒田「一括償却資産となるのは、減価償却資産のうち、取得額が20万未満※3のものだけで、適用を受けるためには一定の書類を確定申告書に添付等しなければなりません。また、期の途中で使用を開始しても、月数按分をしない点に注意して下さいね。また途中で売却や廃棄したとしても除却損を認識はしません。」

恵子「パソコンは、耐用年数が4年ですから、一括償却資産として償却したほうが1年はやく償却し終わるということですか?」

黒田「はい、パソコンであれば、一括償却資産の方が償却期間は短くなります。ただ、減価償却には、初年度に多額の償却を行う定率法という方法もありますので、どちらか有利かは、一概に言えず、計算しなければ分かりません。また一定の要件のもと30万未満の減価償却資産を一度に全額損金に算入できる特例もありますので、会社の状況を見ながら、一番有利な方法を判断することになります。」

恵子「先輩、黒田さん、ありがとうございました。」


※1 減価償却資産とは、時の経過により価値が減少していく資産で、建物や車両が該当します。一方で、土地のように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却資産にはなりません。

※2 法人税法上は、必ずしも3年間の均等償却が要求されておらず、初年度に償却をせず、2年目以降から償却をすることも可能です。

※3 20万未満の判定は、事業者が、税込経理であれば消費税を含んだ金額で、税抜経理であれば消費税を含まない金額で判定します。

執筆者情報

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税理士 坂部達夫

坂部達夫税理士事務所/(株)アサヒ・ビジネスセンター

東京都墨田区にて平成元年に開業して以来、税務コンサルを中心に問題解決型の税理士事務所であることを心がけて参りました。
おかげさまで弊所は30周年を迎えることができました。今後もお客様とのご縁を大切にし、人に寄り添う税務に取り組んでいきます。

メールマガジンやセミナー開催を通じて、様々な情報を発信しています。

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お詫び)2017年10月3日掲載のコラム「OLりえちゃんの経理奮闘記:固定資産と一括償却資産の違い」の中で一部内容に訂正がございます。訂正内容:所得税法上は、3分の1ずつ償却のため、3年均等償却の表現で問題ありませんでしたが、法人税法では、4年、5年にわたって償却することも可能であり均等償却という表現は不適切でした。所得税法と、法人税法の取扱いが異なることが分かるよう訂正いたします。お詫び申し上げます。恵子「先輩、黒田さん、こんにちは。確定申告の手引きを見ているのですが、固定資産と一括償却資産の違いがよく分からなくて。教えてください。」黒田「もちろんですよ。まずは、固定資産について説明しますね。固定資産とは、会計上、貸借対照表の資産の部に計上されるもので、具体的には、建物やコピー機、パソコンなど多様多種なものがあります。固定資産のうち、減価償却資産※1は、耐用年数に応じて減価償却費を行っていきます。」リエ「耐用年数は、使用可能期間のことよ。法律で、資産の種類ごとに耐用年数が決められているから、実務上はその期間で減価償却していくの。ほら、これを見て。」リエちゃんは、恵子ちゃんに法定耐用年数表を見せて説明をします。恵子「パソコンは4年で減価償却をしていくのですね。」リエ「次は、一括償却資産ね。所得税法上、”一括償却資産の必要経費算入の特例”という制度があるのだけれど、その対象となる資産を一括償却資産というのよ。この特例を選択すると、耐用年数に関係なく、事業に使用した年を含めた3年間で均等償却をすることになるの。」恵子「均等償却ですか?」リエ「毎年、同じ金額を償却するということよ。要するに取得価額の3分の1ずつ損金算入するってことね。ただ法人税法上の取扱いは若干異なるから注意してね※2」恵子「どのような資産でも、この特例を適用できるのでしょうか?他にも注意点があれば教えてください。」黒田「一括償却資産となるのは、減価償却資産のうち、取得額が20万未満※3のものだけで、適用を受けるためには一定の書類を確定申告書に添付等しなければなりません。また、期の途中で使用を開始しても、月数按分をしない点に注意して下さいね。また途中で売却や廃棄したとしても除却損を認識はしません。」恵子「パソコンは、耐用年数が4年ですから、一括償却資産として償却したほうが1年はやく償却し終わるということですか?」黒田「はい、パソコンであれば、一括償却資産の方が償却期間は短くなります。ただ、減価償却には、初年度に多額の償却を行う定率法という方法もありますので、どちらか有利かは、一概に言えず、計算しなければ分かりません。また一定の要件のもと30万未満の減価償却資産を一度に全額損金に算入できる特例もありますので、会社の状況を見ながら、一番有利な方法を判断することになります。」恵子「先輩、黒田さん、ありがとうございました。」※1 減価償却資産とは、時の経過により価値が減少していく資産で、建物や車両が該当します。一方で、土地のように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却資産にはなりません。※2 法人税法上は、必ずしも3年間の均等償却が要求されておらず、初年度に償却をせず、2年目以降から償却をすることも可能です。※3 20万未満の判定は、事業者が、税込経理であれば消費税を含んだ金額で、税抜経理であれば消費税を含まない金額で判定します。
2018.05.16 16:27:09