キャッシュレス化の取組み
本日は、リエちゃんが中小企業診断士の進藤さんとキャッシュレス化について雑談をしています。
進藤「リエちゃんは、コンビニとかスーパーで買い物をするとき、現金で支払いますか?」
リエ「ほとんど現金です。洋服など少し高額なものを買う時にクレジットカードを使う程度ですね。」
進藤「日本では、それが普通です。日本人のキャッシュレス決済の比率は20%弱と言われています。しかし、世界の趨勢は違うようです。韓国や中国はキャッシュレスが50%を超えているし、スウェーデンでは現金決済はほとんどない状態です。」
リエ「確かにキャッシュレスは便利ですが、クレジットカードは使い過ぎてしまったり、カード情報の漏洩が心配になります。」
進藤「日本は治安が良くて現金の信頼性が高いので、他の手段を信じない傾向があります。でも、日本に来る外国人が増えており、彼らは考え方が違います。そこで、日本政府は東京オリンピックに向けて決済環境を変えていくために、様々な方針を打ち出しています。」
リエ「どのような方針ですか?」
進藤「まず、2014年の日本再興戦略の中で、以下の方針が閣議決定されました。
1. 訪日外国人向けの利便性向上
(1) 海外発行クレジットカード等での現金引き出しが可能なATMの普及
(2) クレジットカード等使用可能店舗での表示促進
(3) 地方商店街や観光地等でのクレジットカード等決済端末の導入促進
(4) 海外発行クレジットカード等での交通系カードの利用環境の整備
(5) 百貨店における面前決済の一般化
2.クレジットカード等を安全に利用できる環境整備
(1) クレジットカード決済システムの乱用防止(悪質な加盟店の排除等)
(2) クレジットカード番号や個人情報管理等のセキュリティ対策強化
(3) クレジットカード及びクレジットカード決済端末のIC化並びに、POS端末を含むキャッシュレス決済端末のセキュリティー仕様の標準化
(4) 消費者教育の充実によるキャッシュレス決済の適切な使い方に関する理解の促進
3.公的分野の効率性向上の観点からの電子決済の利用拡大
(1) 公的納付金の電子納付の一層の普及
(2) 官公庁において年度をまたがってクレジットカードを利用可能化
これらの方針に基づいて、その後も毎年具体策が閣議決定されています。」
リエ「中小零細の小売店などでは、コストがかかるので導入したくないという話を聞いたことがあります。」
進藤「その通りです。一般的なクレジットカード決済を導入する場合、決済端末費用として10万円程度、決済手数料として2~8%のコストがかかり、現金化できるのは販売してから15~30日後です。しかし、このようなデメリットがある反面、キャッシュレス決済を導入すると、現金を管理・運搬するコストが削減でき、業務の効率化が期待できます。その結果、販売業務に集中して増収している小売業者もいます。」
リエ「消費者も事業者もメリット、デメリットをよく考える必要がありますね。方向性としてキャッシュレス化は避けられないので、政府方針はよく理解しておきたいと思います。ありがとうございました。」