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報酬・料金等の源泉徴収についての注意点

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リエ「黒田さん、先日フリーランスのライターに原稿を依頼したんですけど、原稿の報酬って源泉徴収しなければならないんですよね?」

黒田「はい、そうです。個人の仕事で源泉徴収の対象となる報酬・料金等は、所得税法204条1項に定められております。(1)原稿料や講演料、デザイン料等、(2)弁護士や司法書士、税理士など特定の資格を持つ人に支払う報酬、(3)社会保険診療報酬支払基金法の規定により支払われる診療報酬、(4)プロスポーツ選手やモデル、外交員などに支払う報酬、(5)芸能人や芸能プロダクション等を営む個人に支払う報酬、(6)宴会等において、接待等を行うことを業務とするホステスや、バーやキャバレーなどに勤めるホステスに支払う報酬、(7)契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う報酬、(8)広告宣伝のための賞金、馬主に支払う競馬の賞金、これらのいずれかに該当する報酬・料金であれば、所得税の源泉徴収をする必要があります。」

リエ「私が個人的に黒田さんの事務所に仕事を依頼したとして、その報酬をお支払いする場合にも源泉徴収をしなくてはいけないんですか?」

黒田「いえ、事業などで人を雇用して給与を支払っているような個人以外の個人から支払われるものは、所得税法204条2項で源泉徴収不要とされていますので、リエさんのような方は源泉徴収はしなくても問題ありません。」

リエ「報酬・料金等の源泉所得税の計算方法は、報酬・料金等の金額×10.21%でいいんですよね。」

黒田「報酬・料金等の支払い金額が100万円以下の場合は、報酬額に10.21%をかけた金額が源泉徴収税額となります。1回に支払われる金額が100万円を超える場合には、(報酬・料金等の金額-100万円)×20.42%+100万円×10.21%が源泉徴収税額となります。ただし、司法書士に対する報酬やホステス・コンパニオン等に支払う報酬など、計算方法の異なる報酬もありますので注意が必要です。」

リエ「今回のライターの報酬は税込5万4000円だったので、5万4000円に10.21%をかけた金額を源泉徴収すればいいんですね。」

黒田「ちなみに、そのライターからの請求書は報酬・料金等の額と消費税及び地方消費税の額とが明確に区分されていますか? もし区分がされている請求書でしたら、その報酬・料金等の額のみを源泉徴収の対象として計算することも認められています。」

リエ「確か、報酬・料金等の額と消費税及び地方消費税の額は区分されていました。その場合は税抜5万円×10.21%をかけた金額でいいんですね?」
黒田「はい、そうです。これらの報酬・料金等から徴収した源泉所得税については、原則、給与の場合と同様に、その翌月10日までに納付をしてください。」

リエ「あれ? 黒田さんのところの税理士報酬は、半年分の合計を1月20日と7月10日の年2回に分けて納付していましたよね?」

黒田「所得税の納期の特例の承認を受けている場合には、先程の所得税法204条1項の(2)弁護士や司法書士、税理士などに支払う報酬に限り、1月と7月の納付が認められています。ちなみに先程の所得税法204条1項の(2)弁護士や司法書士、税理士などに支払う報酬は『給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書』に記入して納付しますが、それ以外の報酬・料金等は『報酬・料金等の所得税徴収高計算書』に記入して納付します。いつもの納付書と異なりますので注意してください。それと、源泉所得税の納付が遅れると、不納付加算税や延滞税という罰則的税金が追加でかかってしまいますので注意してください。」

リエ「はい、わかりました。翌月10日までに必ず納付します。」

執筆者情報

アサヒ・ビジネスセンター

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リエ「黒田さん、先日フリーランスのライターに原稿を依頼したんですけど、原稿の報酬って源泉徴収しなければならないんですよね?」黒田「はい、そうです。個人の仕事で源泉徴収の対象となる報酬・料金等は、所得税法204条1項に定められております。(1)原稿料や講演料、デザイン料等、(2)弁護士や司法書士、税理士など特定の資格を持つ人に支払う報酬、(3)社会保険診療報酬支払基金法の規定により支払われる診療報酬、(4)プロスポーツ選手やモデル、外交員などに支払う報酬、(5)芸能人や芸能プロダクション等を営む個人に支払う報酬、(6)宴会等において、接待等を行うことを業務とするホステスや、バーやキャバレーなどに勤めるホステスに支払う報酬、(7)契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う報酬、(8)広告宣伝のための賞金、馬主に支払う競馬の賞金、これらのいずれかに該当する報酬・料金であれば、所得税の源泉徴収をする必要があります。」リエ「私が個人的に黒田さんの事務所に仕事を依頼したとして、その報酬をお支払いする場合にも源泉徴収をしなくてはいけないんですか?」黒田「いえ、事業などで人を雇用して給与を支払っているような個人以外の個人から支払われるものは、所得税法204条2項で源泉徴収不要とされていますので、リエさんのような方は源泉徴収はしなくても問題ありません。」リエ「報酬・料金等の源泉所得税の計算方法は、報酬・料金等の金額×10.21%でいいんですよね。」黒田「報酬・料金等の支払い金額が100万円以下の場合は、報酬額に10.21%をかけた金額が源泉徴収税額となります。1回に支払われる金額が100万円を超える場合には、(報酬・料金等の金額-100万円)×20.42%+100万円×10.21%が源泉徴収税額となります。ただし、司法書士に対する報酬やホステス・コンパニオン等に支払う報酬など、計算方法の異なる報酬もありますので注意が必要です。」リエ「今回のライターの報酬は税込5万4000円だったので、5万4000円に10.21%をかけた金額を源泉徴収すればいいんですね。」黒田「ちなみに、そのライターからの請求書は報酬・料金等の額と消費税及び地方消費税の額とが明確に区分されていますか? もし区分がされている請求書でしたら、その報酬・料金等の額のみを源泉徴収の対象として計算することも認められています。」リエ「確か、報酬・料金等の額と消費税及び地方消費税の額は区分されていました。その場合は税抜5万円×10.21%をかけた金額でいいんですね?」黒田「はい、そうです。これらの報酬・料金等から徴収した源泉所得税については、原則、給与の場合と同様に、その翌月10日までに納付をしてください。」リエ「あれ? 黒田さんのところの税理士報酬は、半年分の合計を1月20日と7月10日の年2回に分けて納付していましたよね?」黒田「所得税の納期の特例の承認を受けている場合には、先程の所得税法204条1項の(2)弁護士や司法書士、税理士などに支払う報酬に限り、1月と7月の納付が認められています。ちなみに先程の所得税法204条1項の(2)弁護士や司法書士、税理士などに支払う報酬は『給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書』に記入して納付しますが、それ以外の報酬・料金等は『報酬・料金等の所得税徴収高計算書』に記入して納付します。いつもの納付書と異なりますので注意してください。それと、源泉所得税の納付が遅れると、不納付加算税や延滞税という罰則的税金が追加でかかってしまいますので注意してください。」リエ「はい、わかりました。翌月10日までに必ず納付します。」
2017.10.31 09:12:27