中小企業経営強化税制について教えてください!
旭課長「黒田さん。ちょっと相談してもいいですか?」
黒田「はい。どうしました?」
旭課長「今度、新しい機械を購入することになりまして、以前にも弊社で適用した先端設備を取得した際の生産性向上設備投資促進税制(A類型)を今回も適用したいのですよ。」
黒田「旭課長。実は生産性向上設備投資促進税制は平成29年3月末をもって終了してしまったのですよ。」
リエ「そうなんですか! せっかく節税出来ると思っていたのに。」
黒田「その代わり平成29年4月1日からは中小企業等経営強化法に基づく税制措置が新たにできましたよ。」
リエ「それって以前に中小企業診断士の先生から教えてもらった固定資産税が3年間半分になるものですか?」
黒田「そうです。地方税においては固定資産税の特例があり、国税では法人税または所得税において即時償却または取得価額の10%*の税額控除が選択適用できます。
*資本金3000万円超1億円以下の法人は7%
旭課長「それでは名称が変わっただけで実質、生産性向上設備投資促進税制が延長されたということですか?」
黒田「いえいえ。適用要件などが若干異なっていますので注意が必要です。そして何よりも適用手続きが複雑になっていますよ。」
リエ「たしか以前弊社で適用したときは、工業会からの証明書を取得して税務申告時に添付したのですよね。」
黒田「はい。今回も工業会から証明書を取得するのは同じですが、その証明書を添付して主務大臣に経営力向上計画を申請し、認定を受けなければなりません。」
旭課長「認定を受けるまでにはある程度、日数がかかりますよね。機械は来週納品される予定なので間に合いそうもありませんね。」
黒田「原則としては経営力向上計画の認定後に経営力向上設備等を取得しなければなりません。ただし、設備取得後に経営力向上計画を申請する場合には、設備取得日から60日以内に経営力向上計画を申請し、*事業年度末までに認定を受けることができれば、この税制を適用することが可能ですよ。」
*固定資産税の特例を受けるためにはその年の12月31日までに認定を受けなければならない。12月31日を超えて認定を受けた場合は翌年からの2年間適用。
リエ「では早速、設備メーカーに工業会からの証明書を依頼しますね。」