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改訂版スチュワードシップ・コードが公表、議決権行使結果の個別開示が原則に

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 金融庁は5月29日、スチュワードシップ・コード(改訂版)を公表した。

 主な改訂個所は2つある。1つ目は、「運用機関は、議決権行使や対話に重要な影響を及ぼす利益相反が生じ得る局面を具体的に特定し、それぞれの利益相反を回避し、その影響を実効的に排除するなど、顧客・受益者の利益を確保するための措置について具体的な方針を策定し、これを公表すべき」とするもので、これは金融機関グループ内の利益相反を念頭に入れている。

 もう1つは「機関投資家は、議決権の行使結果を、個別の投資先企業及び議案ごとに公表すべき」とするもの(指針5-1)である。これにより、コードをコンプライする機関投資家の議決権行使行動が白日の下にさらされることとなり、上述の利益相反防止策と相まって、議決権行使結果の透明性が確保されることが期待される。

 なお、改訂版と同時に公表された「改訂案に対するご意見の概要及びそれに対する回答」によると「取締役選任議案全体のうち、○人に賛成、×人に反対などとまとめて議決権行使結果を開示すること」や「個別の投資先企業及び議案ごとの議決権行使結果の公表に関し、議決権を行使した企業名と反対議案の有無を公表する一方で、個別具体的な内容については問合わせ窓口を通じて対応していくこと」はコンプライ(コードを遵守したこと)にはならないとの考え方が示されている。

執筆者情報

日本IPO実務検定協会
財務報告実務検定事務局

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2017.06.30 09:39:23