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監査役が短信と有報の両方を監査する上場会社は減少

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 日本監査役協会はこのほど、「第17回インターネット・アンケート~役員等の構成の変化などに関するアンケート集計結果」を公表した。これは、同協会が実施したインターネット・アンケートによる調査結果をとりまとめたもの(有効回答数3,522社)。アンケート結果は「監査役(会)設置会社版」「指名委員会等設置会社版」「監査等委員会設置会社版」の3つに分けて取りまとめられている。
 このうち「監査役(会)設置会社版」によると、社外取締役を選任している会社が前回(昨年)の調査時から減少(前回:77.6%→今回:70.4%)し、なかでも「親会社の役職員」が大きく減少(前回:21.4%→今回:13.1%)していることが分かった。反対に、監査役会における社内監査役の構成比が増加(前回:11.7%→今回:19.7%)している。こういった動きの背景には、会社法改正により社外役員の社外性要件が厳格化され、親会社から派遣される取締役が社外取締役に該当しなくなったことの影響があるものと思われる。
 また、「監査役(会)設置会社版」では、指名委員会等設置会社の指名委員会や報酬委員会に相当する任意の機関を設置している会社は、5.7ポイント増加(前回:8.9%→今回:14.6%)している。上場会社に限定すると倍増(前回:4.5%→今回:9.9%)となっており、コーポレートガバナンス・コード【原則4-10.任意の仕組みの活用】で「上場会社は、会社法が定める会社の機関設計のうち会社の特性に応じて最も適切な形態を採用するに当たり、必要に応じて任意の仕組みを活用することにより、統治機能の更なる充実を図るべきである。」とされたことが、任意の指名委員会や報酬委員会の設置に取り組む上場企業の増加につながったといえ、この傾向はまだまだ続きそうだ。
 上場会社における取締役会の平均所要時間は「1時間以上~2時間未満」が半数(54.6%)を占めており、次いで「1時間未満」(22.2%)、「2時間以上~3時間未満」(18.4%)となっている。中には「3時間以上~4時間未満」(3.7%)や「4時間以上」(1.1%)という上場会社もある。 短すぎても長すぎても何かしらの問題を抱えているおそれがある。自社の取締役会の長さが適切かどうか点検しておきたい。
 注目したいのは監査役が決算短信と有価証券報告書の両方を監査する上場会社が減少(前回:63.1%→今回:57.5%)していることだ。代わりに、監査役がどちらも監査しない上場会社は増加(前回:17.8%→今回:21.6%)している。監査役としては財務報告については計算書類だけチェックしておけば十分と判断する上場会社が増加していると言えよう。決算短信の簡素化の流れもあるだけに、監査役の積極的関与が望まれるところだ。

執筆者情報

日本IPO実務検定協会
財務報告実務検定事務局


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