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ご存知ですか、事業承継補助金

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田中社長「黒田さん、事業承継に関して補助金制度があるという話を聞いたけど、どういう制度なのか分かりますか。」

黒田「中小企業庁が行っている補助金制度で、『事業承継補助金』というのがあるようですが、そのことでしょうか。」

田中社長「たぶんそうだと思います。」

黒田「私も中小企業庁のパンフレットを読んだ程度ですが、(1)地域経済に貢献する中小企業による(2)事業承継をきっかけとした(3)新しい取組み(経営革新や事業転換)、に対して補助金を支給するという制度のようです。」

リエ「ちょっと分かりにくいですね。地域経済に貢献する中小企業って何ですか?」

黒田「地域経済に貢献する中小企業というのは、所在する地域で物やサービスの提供をしたり、その地域の方々を雇用したり、といったことのようですね。ただこれについては、実際に行う事業がどの程度地域に貢献するのかを総合的に判断するみたいです。」

田中社長「事業承継をきっかけとした新しい取組みというのは?」

黒田「事業承継後に行う、新商品や新分野への挑戦、新規設備の導入や事業転換のことで、これらを行う場合に、私共のような認定支援機関の支援を受けていることも要件にあるようです。補助金なので他にも色々と要件はあるようですが。」

リエ「どんな要件があるんですか?」

黒田「まず平成27年4月1日から平成29年12月31日の間に代表者を交代した、又は交代する中小企業であることですね。」

田中社長「そうなんですか。さすがにそんなに早く交代するつもりはないから当社は対象になりませんね。」

黒田「そうですね。でもこういった補助金制度は、予算が消化されるまで当初の期限を延長して継続することもありますよ。」

田中社長「そうですね。他の要件はどんなものがありますか?」

黒田「後継者に関して要件があります。要件の内容は(1)経営に関する職務経験を有している、(2)同業種に関する知識などを有している、(3)創業・承継に資する研修等を受講した、という3つの要件のいずれかを満たす必要があります。具体的には、ア.役員や経営者(個人事業主を含む)としての経験が3年以上ある、イ.対象企業や対象企業と同じ業種に、通算して6年以上勤めた経験がある、ウ.中小企業庁が指定する一定の研修を履修するなどのうち、どれか一つをクリアすればいいみたいですね。」

リエ「経験がなくても、決められた研修を受ければいいのであれば、何とかなりそうですね。」

田中社長「そうだね、どの程度の補助金が受けられるのかな。」

黒田「補助金の対象となる費用の3分の2までで、上限は200万円というのが原則ですが、事業転換等で事業所の廃止や既存事業の廃止・集約を伴う場合は、廃業費用として300万円の上乗せもあるらしいです。」

田中社長「なるほど。今回はもちろん見送りますが、いずれ私が引退して代表者を交代する時に、そんな補助金制度があったら協力して下さいね。」

黒田「喜んで協力させて頂きます。」

リエ「社長にはまだまだ頑張って頂きたいです。」

田中社長「ありがとう、リエちゃん。できる限り頑張らせてもらうよ。」

執筆者情報

アサヒ・ビジネスセンター

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田中社長「黒田さん、事業承継に関して補助金制度があるという話を聞いたけど、どういう制度なのか分かりますか。」黒田「中小企業庁が行っている補助金制度で、『事業承継補助金』というのがあるようですが、そのことでしょうか。」田中社長「たぶんそうだと思います。」黒田「私も中小企業庁のパンフレットを読んだ程度ですが、(1)地域経済に貢献する中小企業による(2)事業承継をきっかけとした(3)新しい取組み(経営革新や事業転換)、に対して補助金を支給するという制度のようです。」リエ「ちょっと分かりにくいですね。地域経済に貢献する中小企業って何ですか?」黒田「地域経済に貢献する中小企業というのは、所在する地域で物やサービスの提供をしたり、その地域の方々を雇用したり、といったことのようですね。ただこれについては、実際に行う事業がどの程度地域に貢献するのかを総合的に判断するみたいです。」田中社長「事業承継をきっかけとした新しい取組みというのは?」黒田「事業承継後に行う、新商品や新分野への挑戦、新規設備の導入や事業転換のことで、これらを行う場合に、私共のような認定支援機関の支援を受けていることも要件にあるようです。補助金なので他にも色々と要件はあるようですが。」リエ「どんな要件があるんですか?」黒田「まず平成27年4月1日から平成29年12月31日の間に代表者を交代した、又は交代する中小企業であることですね。」田中社長「そうなんですか。さすがにそんなに早く交代するつもりはないから当社は対象になりませんね。」黒田「そうですね。でもこういった補助金制度は、予算が消化されるまで当初の期限を延長して継続することもありますよ。」田中社長「そうですね。他の要件はどんなものがありますか?」黒田「後継者に関して要件があります。要件の内容は(1)経営に関する職務経験を有している、(2)同業種に関する知識などを有している、(3)創業・承継に資する研修等を受講した、という3つの要件のいずれかを満たす必要があります。具体的には、ア.役員や経営者(個人事業主を含む)としての経験が3年以上ある、イ.対象企業や対象企業と同じ業種に、通算して6年以上勤めた経験がある、ウ.中小企業庁が指定する一定の研修を履修するなどのうち、どれか一つをクリアすればいいみたいですね。」リエ「経験がなくても、決められた研修を受ければいいのであれば、何とかなりそうですね。」田中社長「そうだね、どの程度の補助金が受けられるのかな。」黒田「補助金の対象となる費用の3分の2までで、上限は200万円というのが原則ですが、事業転換等で事業所の廃止や既存事業の廃止・集約を伴う場合は、廃業費用として300万円の上乗せもあるらしいです。」田中社長「なるほど。今回はもちろん見送りますが、いずれ私が引退して代表者を交代する時に、そんな補助金制度があったら協力して下さいね。」黒田「喜んで協力させて頂きます。」リエ「社長にはまだまだ頑張って頂きたいです。」田中社長「ありがとう、リエちゃん。できる限り頑張らせてもらうよ。」
2017.05.23 16:28:31