目次 II-3


3.新築した賃貸用マンション等の一部が課税時期において
『空室』となっている場合の貸家建付地評価の可否

Question
 新築した賃貸マンション(30室で各室の床面積は同一)のうち課税時期現在において6室の空室がありましたが、課税時期後おおむね2週間ぐらいで満室となりました。この賃貸マンションの敷地について、平成11年7月19日付けの財産評価基本通達の改正及びこれに関連する情報(資産評価企画官情報第2号(平成11年7月29日))に基づく貸家建付地に係る評価緩和措置の適用により貸家建付地として評価することができますか。

Answer
 このご質問に係る通達改正等による貸付建付地評価に係る取扱い(緩和基準)によれば、課税時期現在において現実に貸し付けられていない場合(実際に借家人が存在していない場合)であっても、(1)継続的に賃貸されていたアパート等で課税時期において一時的に空室であったと認められる部分について貸家建付地評価が可能(改正後の財産評価基本通達)になりますが、この具体的な判定基準の1つとして、情報(資産評価企画官情報第2号(平成11年7月29日))では、『各独立部分が(2)課税時期前に継続的に賃貸されてきたものかどうか。』ということが示されています。

 それ故に、この緩和基準の適用対象とされるのは、課税時期から継続的に賃貸されてきた各独立部分からなる家屋であり(上記の(1)及び(2)の   部分を参照)、ご質問の場合の評価対象地のように、課税時期から継続的に賃貸されてきたものには該当しない新規に貸付けを開始した新築の賃貸マンションの空室部分に対応する敷地部分まで含める趣旨ではないと解釈すべきであると考えられます。

 したがって、この場合の新築の賃貸マンションに係る空室部分に対応する敷地部分については、自用地として評価することになります。

 なお、貸家建付地と自用地とに区分する基準として、『賃貸割合』を適用して計算することになります。

 

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