I-5 |
I−5 正規の簿記の原則と複式簿記 |
I−4でも説明したとおり現時点で、NPO法人が従うべき会計の原則として、法27条において「会計の原則」が定められています。 正規の簿記の原則というのは、27条「会計の原則」の中に定められている原則の1つで、具体的な条文は次のようなものです。
ここでは4つの会計処理に関するルールが定められています。 すなわち、簡単にいうと、次のとおりです。
このうち、「正規の簿記の原則」の具体的な内容までは、法律では規定されていませんが、正規の簿記の原則を構成する要件として、一般的には以下の3つがあげられます。
したがって、法人の作成する会計簿が上記の要件を満たしていれば正規の簿記の原則に従っているといえますので、その記帳方法が単式簿記であるか、複式簿記であるかは、正規の簿記の原則に従っているかどうかとは直接的には関係しないことになります。 記帳方法として、単式簿記を採用するか、複式簿記を採用するかは、法人が取引の状況等を考慮して選択すればよいということになりますが、その際、正規の簿記の原則に従わなければならないことを考えれば現預金以外の資産負債がほとんどなく、入出金もそれほど頻繁ではなく現預金によるものがほとんどといった法人以外は、複式簿記による方が上記の3つの要件を満たしやすく、検証の容易さなどを考えれば、効率的ではないでしょうか。 また、近年普及してきた一般企業向けのパソコン会計ソフト等を利用すれば、複式簿記での記帳もそれほど手間をかけずにできると思います。 |