令和５年度税収は過去最高額の７２兆７６１億円に増加
財務省が公表した令和５年度一般会計税収の予算額と決算額（概数）によると、５年度の税収は７２兆７６１億円にのぼり、４年連続で過去最高額となったことが分かった。税収は、４年度決算額の７１兆１３７３億円を１．３％（９３８８億円）上回り、２年連続で７０兆円を突破した。５年度補正後予算額は４年度を下回る６９兆６１１０億円を見込んでいたが、企業の好業績や物価高を背景に、２兆４６５１億円上回る税収となった。
令和５年度決算額（概数）の税収を税目別にみると、「所得税」は、源泉所得税が１８兆１５億円、申告所得税が４兆５１４億円の計２２兆５３０億円で、４年度決算額からは▲２．１％減少したが、５年度補正後予算額の想定からは７５８０億円上回った。この背景には、企業の賃上げの動きの広がりで、給与所得が増え、源泉所得税が想定の１７兆４２００億円から５８１５億円上回ったことがある。
また、「法人税」は１５兆８６０６億円となり、令和４年度決算額から６．２％増加。５年度補正後予算額からは１兆１９８６億円上回り、平成３年度（１６．５兆円）以来の高水準となり、全体の税収を押し上げた。「消費税」は、４年度決算額からは０．１％増と微増ながら、想定額を１００３億円上回り、過去最高額となった。年度前半に還付金が増えたことなどが減収要因となったが、国内消費は堅調に推移し税収増となった。
そのほかでは、「相続税」は３兆５６６３億円となり、令和４年度決算額から２０．１％増加し、想定額からも４２４３億円上回る結果となった。「酒税」は１兆１８１４億円で、４年度決算額からは０．５％減少したものの、想定額からは１４億円上回った。「たばこ税」は９５９１億円で、４年度決算額からは０．２％増と微増し、想定額からも２４１億円上回っている。
なお、令和５年度決算概要によると、歳入面では、税収の上振れが２兆４６５１億円、税外収入の上振れが１兆７０３２億円あるが、国債発行の取りやめが▲９兆５０００億円あり、差し引き▲５兆３３１６億円となる。一方で、歳出面で不要となった予算が６兆８９１０億円あり、トータルで１兆５５９４億円となるが、ここから地方交付税交付金等財源増の７０７７億円をマイナスした８５１７億円が純剰余金となる。
提供元：２１Ｃ・ＴＦフォーラム（株式会社タックス・コム）
