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住宅取得等資金の贈与に係る新非課税制度Q&Aを公表

 国税庁はこのほど、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらましを公表したが、その中で、1)父と母から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の新非課税制度の適用や、2)家屋を所有しない(持分を取得しない)場合、3)マンション又は建売住宅を取得する場合の取得期限、4)「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」の適用後の贈与について、Q&Aを掲載している。

 1)は、令和6年5月に父と母から住宅取得等資金として1000万円ずつ贈与を受け、その資金で同月中に省エネ等住宅を取得し、同年中に居住を開始したが、贈与者ごとに新非課税制度の適用を受けられるかという問いに対し、この場合の非課税限度額は、受贈者1人について1000万円が限度となるので、贈与を受けた2000万円のうち1000万円について新非課税制度の適用を受けることがでると回答している。

 2)は、祖父から贈与を受けた金銭の全額をその敷地(土地)の取得に充てて配偶者と共に住宅を取得し、土地は配偶者との共有、家屋は配偶者の単独所有となったが、祖父から贈与を受けた金銭について新非課税制度の適用を受けられるかとの問いに対し、新非課税制度は、土地等の取得に充てる場合も対象となるが、その取得した土地の上の住宅用の家屋を所有することにならない場合は新非課税制度の適用を受けられないと答えている。

 3)では、令和6年12月に父から住宅取得のために贈与を受けた金銭を、同月中に契約締結したマンションの頭金の支払に充てたが、このマンションの完成・引渡しは令和7年6月になる予定の場合、新非課税制度の適用が受けられるかとの問いに対し、住宅用家屋の「取得」に当たる場合、住宅取得等資金の贈与を受けた年の翌年3月15日までにその引渡しを受けていなければ、新非課税制度の適用を受けられないとしている。

 最後の4)では、令和5年中に母(満57歳)から住宅取得のための資金として3500万円の贈与を受け、5年分の確定申告では「旧非課税制度(令和元年分から5年分の間の非課税制度)」と「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税制度の特例」の適用を受けているケースで、6年中に母から現金300万円の贈与を受けたが、6年分の贈与税の申告はどのようになるのか質問している。

 これに対し、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」の適用を受けた場合には、その特例対象の住宅取得等資金の贈与があった年分以降、その特例に係る特定贈与者から贈与を受けた財産は、たとえ特定贈与者が60歳に達していなくとも財産の種類にかかわらず、全て相続時精算課税の適用を受けることとなり、令和6年に贈与を受けた現金300万円は、相続時精算課税を適用して申告することになると回答している。

「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらましについて

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 国税庁はこのほど、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらましを公表したが、その中で、1)父と母から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の新非課税制度の適用や、2)家屋を所有しない(持分を取得しない)場合、3)マンション又は建売住宅を取得する場合の取得期限、4)「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」の適用後の贈与について、Q&Aを掲載している。 1)は、令和6年5月に父と母から住宅取得等資金として1000万円ずつ贈与を受け、その資金で同月中に省エネ等住宅を取得し、同年中に居住を開始したが、贈与者ごとに新非課税制度の適用を受けられるかという問いに対し、この場合の非課税限度額は、受贈者1人について1000万円が限度となるので、贈与を受けた2000万円のうち1000万円について新非課税制度の適用を受けることがでると回答している。 2)は、祖父から贈与を受けた金銭の全額をその敷地(土地)の取得に充てて配偶者と共に住宅を取得し、土地は配偶者との共有、家屋は配偶者の単独所有となったが、祖父から贈与を受けた金銭について新非課税制度の適用を受けられるかとの問いに対し、新非課税制度は、土地等の取得に充てる場合も対象となるが、その取得した土地の上の住宅用の家屋を所有することにならない場合は新非課税制度の適用を受けられないと答えている。 3)では、令和6年12月に父から住宅取得のために贈与を受けた金銭を、同月中に契約締結したマンションの頭金の支払に充てたが、このマンションの完成・引渡しは令和7年6月になる予定の場合、新非課税制度の適用が受けられるかとの問いに対し、住宅用家屋の「取得」に当たる場合、住宅取得等資金の贈与を受けた年の翌年3月15日までにその引渡しを受けていなければ、新非課税制度の適用を受けられないとしている。 最後の4)では、令和5年中に母(満57歳)から住宅取得のための資金として3500万円の贈与を受け、5年分の確定申告では「旧非課税制度(令和元年分から5年分の間の非課税制度)」と「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税制度の特例」の適用を受けているケースで、6年中に母から現金300万円の贈与を受けたが、6年分の贈与税の申告はどのようになるのか質問している。 これに対し、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」の適用を受けた場合には、その特例対象の住宅取得等資金の贈与があった年分以降、その特例に係る特定贈与者から贈与を受けた財産は、たとえ特定贈与者が60歳に達していなくとも財産の種類にかかわらず、全て相続時精算課税の適用を受けることとなり、令和6年に贈与を受けた現金300万円は、相続時精算課税を適用して申告することになると回答している。
2024.05.30 18:40:24