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オープンイノベーション促進税制を7年末まで延長

 オープンイノベーションとは、製品開発や技術改革、研究開発や組織改革などにおいて、自社以外の組織や機関などが持つ知識や技術を取り込んで自前主義からの脱却を図ること。我が国企業が自前主義から脱却するとともに、スタートアップが大きく・早く成長するためには、事業会社とのオープンイノベーションが重要だが、海外と比較するとオープンイノベーションは定着していない状況にある。

 オープンイノベーション促進税制は、株式取得の一定額の所得控除を認める極めて異例の措置であり、特に、新規出資型については、取得から3年経過後は、仮に株式を譲渡したとしても免税となる仕組みとなっている。同税制を利用した事業会社による国内スタートアップ投資の伸び率は、利用していない場合の伸び率よりも大きく、同税制はスタートアップ投資の増加に一定の貢献をしていると見込まれている。

 そのため、令和6年度税制改正において適用期限を7年度末まで2年間延長する。オープンイノベーション促進税制は株式取得の一定額の所得控除を認める極めて異例のものではあるが、現在、「スタートアップ育成5か年計画」が始まったばかりの時期であることに鑑み、6年度税改正に限った特例的な対応として、現在のままの形で、同税制の適用期限が2年延長されることとなった。

 オープンイノベーション促進税制は、事業会社(国内事業会社又はその国内CVC)がスタートアップに投資した場合、株式取得額の25%を所得控除(成長に資するM&A時は発行済株式も対象)する。スタートアップ(設立10年未満の国内外非上場企業)は、売上高研究開発費比率10%以上かつ赤字企業の場合設立15年未満の企業も対象。発行済株式を取得する場合(50%超の取得時)は、海外スタートアップは対象外となる。

 オープンイノベーション促進税制の利用状況(新規出資型)をみると、令和2年の制度創設以降、制度利用のための証明書発行件数・株式取得額は増加傾向にある。特に4年は、事業会社による国内スタートアップ投資は前年比横ばいだったのに対し、同税制による株式取得額実績は大幅増加しており、事業会社によるスタートアップへの出資を通じたオープンイノベーションの増加に貢献している。

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 オープンイノベーションとは、製品開発や技術改革、研究開発や組織改革などにおいて、自社以外の組織や機関などが持つ知識や技術を取り込んで自前主義からの脱却を図ること。我が国企業が自前主義から脱却するとともに、スタートアップが大きく・早く成長するためには、事業会社とのオープンイノベーションが重要だが、海外と比較するとオープンイノベーションは定着していない状況にある。 オープンイノベーション促進税制は、株式取得の一定額の所得控除を認める極めて異例の措置であり、特に、新規出資型については、取得から3年経過後は、仮に株式を譲渡したとしても免税となる仕組みとなっている。同税制を利用した事業会社による国内スタートアップ投資の伸び率は、利用していない場合の伸び率よりも大きく、同税制はスタートアップ投資の増加に一定の貢献をしていると見込まれている。 そのため、令和6年度税制改正において適用期限を7年度末まで2年間延長する。オープンイノベーション促進税制は株式取得の一定額の所得控除を認める極めて異例のものではあるが、現在、「スタートアップ育成5か年計画」が始まったばかりの時期であることに鑑み、6年度税改正に限った特例的な対応として、現在のままの形で、同税制の適用期限が2年延長されることとなった。 オープンイノベーション促進税制は、事業会社(国内事業会社又はその国内CVC)がスタートアップに投資した場合、株式取得額の25%を所得控除(成長に資するM&A時は発行済株式も対象)する。スタートアップ(設立10年未満の国内外非上場企業)は、売上高研究開発費比率10%以上かつ赤字企業の場合設立15年未満の企業も対象。発行済株式を取得する場合(50%超の取得時)は、海外スタートアップは対象外となる。 オープンイノベーション促進税制の利用状況(新規出資型)をみると、令和2年の制度創設以降、制度利用のための証明書発行件数・株式取得額は増加傾向にある。特に4年は、事業会社による国内スタートアップ投資は前年比横ばいだったのに対し、同税制による株式取得額実績は大幅増加しており、事業会社によるスタートアップへの出資を通じたオープンイノベーションの増加に貢献している。提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2024.03.05 16:10:33