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地方財政審議会でのふるさと納税指定基準見直しの説明を公表

 納税者がふるさと納税を利用するためには、寄附先の自治体が総務大臣の指定を受けていることが必要となるが、指定を受けるための2つの基準を見直す告示改正とこれに伴うQ&Aの見直しが本年6月に行われ、来月から、1)寄付金募集に関する費用について、ワンストップ特例事務や寄付金受領証の発行などの付随費用も含めて寄付金額の5割以下とする「募集適正基準」の改正と、2)加工品のうち熟成肉と精米について、原材料がその自治体と同一の都道府県内産であるものに限り返礼品として認める「地場産品基準」の改正が適用される。

 ところで、地方税法では、これらの基準が変更される場合には、地方財政審議会の意見を聴かなければならないと規定しており、このほど、規定に基づき行われた審議会における審議委員の質問と総務省自治税務局の説明内容が公表された。

 審議では、「告示上、広く『原材料を都道府県内産に限る』として、Q&Aでその例として食肉の熟成、玄米の精白が該当するという案は検討したか」との問いに対しては、「今回の改正は、看過できない状況となっている熟成肉と精米について、あらゆる関係者が明確に判断できる形で限定をかけるということ。全ての加工品について、原材料を都道府県内産に限ると一般化することまでは考えていない」と説明。さらに、今後も、提供状況が看過できないレベルに至る事案が出てきた場合には、更なる告示改正等を検討していくとした。

 また、「例えば牛タンはほとんどが外国産であると聞くが、牛タンの返礼品の提供は、今回の告示改正で不可となるのか」との質問に対しては、「外国産の牛タンについても、区域内で熟成という工程だけを経ているものは提供不可となる。調味をはじめとした様々な主要な工程を区域内で行い、相応の付加価値をつけていれば提供は可能」と説明。

 一方、ふるさと納税以外の業務も兼任している職員に係る人件費についても、付随費用であることから、改正後は寄附金額の5割以下とされる寄附金募集に関する費用に含められることになるが、「これまで除いていた兼任職員の人件費を含めることとした理由は」との質問に対しては、「兼任職員の人件費が除かれることで、相当程度ふるさと納税に関する事務を行っている職員であっても、他の業務に携わっていれば人件費『0』と計上されており、総務省に報告されている費用と実態との乖離要因となっている。『募集に要する費用』を下げるために、アウトソーシングをやめて兼任職員に仕事をさせるといったような運用を避けるためにも、今回、明確に追加することとした」と説明している。

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 納税者がふるさと納税を利用するためには、寄附先の自治体が総務大臣の指定を受けていることが必要となるが、指定を受けるための2つの基準を見直す告示改正とこれに伴うQ&Aの見直しが本年6月に行われ、来月から、1)寄付金募集に関する費用について、ワンストップ特例事務や寄付金受領証の発行などの付随費用も含めて寄付金額の5割以下とする「募集適正基準」の改正と、2)加工品のうち熟成肉と精米について、原材料がその自治体と同一の都道府県内産であるものに限り返礼品として認める「地場産品基準」の改正が適用される。 ところで、地方税法では、これらの基準が変更される場合には、地方財政審議会の意見を聴かなければならないと規定しており、このほど、規定に基づき行われた審議会における審議委員の質問と総務省自治税務局の説明内容が公表された。 審議では、「告示上、広く『原材料を都道府県内産に限る』として、Q&Aでその例として食肉の熟成、玄米の精白が該当するという案は検討したか」との問いに対しては、「今回の改正は、看過できない状況となっている熟成肉と精米について、あらゆる関係者が明確に判断できる形で限定をかけるということ。全ての加工品について、原材料を都道府県内産に限ると一般化することまでは考えていない」と説明。さらに、今後も、提供状況が看過できないレベルに至る事案が出てきた場合には、更なる告示改正等を検討していくとした。 また、「例えば牛タンはほとんどが外国産であると聞くが、牛タンの返礼品の提供は、今回の告示改正で不可となるのか」との質問に対しては、「外国産の牛タンについても、区域内で熟成という工程だけを経ているものは提供不可となる。調味をはじめとした様々な主要な工程を区域内で行い、相応の付加価値をつけていれば提供は可能」と説明。 一方、ふるさと納税以外の業務も兼任している職員に係る人件費についても、付随費用であることから、改正後は寄附金額の5割以下とされる寄附金募集に関する費用に含められることになるが、「これまで除いていた兼任職員の人件費を含めることとした理由は」との質問に対しては、「兼任職員の人件費が除かれることで、相当程度ふるさと納税に関する事務を行っている職員であっても、他の業務に携わっていれば人件費『0』と計上されており、総務省に報告されている費用と実態との乖離要因となっている。『募集に要する費用』を下げるために、アウトソーシングをやめて兼任職員に仕事をさせるといったような運用を避けるためにも、今回、明確に追加することとした」と説明している。提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2023.09.14 15:48:11