電子インボイスに活用期待の「eシール」検討会に国税庁も参加
総務省は、組織が発行する電子データの発行元を確認する仕組みであるeシールに係る制度について検討するため、「eシールに係る検討会」を開催する。9月6日に第1回会合を開催し、以降、順次開催予定で、オブザーバーとして関係省庁であるデジタル庁、法務省、経済産業省とともに国税庁も参加する。
10月からスタートするインボイス制度では、課税事業者は仕入税額控除を受けるために、仕入れ先からの適格請求書等の交付が必要となる。この書類のやりとりを電子データで行うのが電子インボイス制度。一方、電子化された書類の発行元の信頼性を担保するのが「eシール」。
総務省が令和3年6月に公表した「e シールに係る指針」によると、e シールとは、電子文書等が発行元の組織等から間違いなく発行されたことを示すためのもの、としたうえで、ただし、電子文書等の内容の正しさや、発行元の組織等自体の信頼性を保証するものではないことに留意が必要としている。
e シール活用の具体例としては、領収書、請求書、見積書等の契約に紐付いて発生する書類等がある。受領側では、これらの書類が確かにやりとりを行っている相手から送られてきたものであるかを確認した上で、その後の処理(例えば、会計システムへの必要事項の入力及び入力内容の確認作業等)を行うことが想定され、このような場合にe シールを活用することで、発行元の組織等及び電子文書が改ざんされていないことを即座に確認できるため、大幅な業務効率化及び生産性の向上が見込まれるからだ。
このことから、インボイス制度の導入後は、電子インボイスへのe シールの活用が期待されているものの、現状では、e シールの法制度が存在していない。検討会では、1)eシール活用のユースケース、2)eシールで確保すべき信頼性の程度に応じた“レベル分け”の考え方、3)eシールに係る認定制度創設の要否、等が検討事項として取り上げられている。
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