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被相続人の死亡を知った日が相続の開始日と判断、棄却

 被相続人と生前に締結した死因贈与契約に基づいて権利を取得したことを巡って、その権利を取得した者が相続の開始があったことを知った日はいつになるのかの判断が争われた事件で国税不服審判所は、相続の開始があったことを知った日は、相続財産管理人による相続債権者・受遺者に対する債権申出の催告の公告に係る請求申出期間満了日ではなく、被相続人の死亡を知った日であると判断、審査請求を棄却した。

 この事件は、死因贈与契約に基づいて権利を取得した被相続人の遠縁に当たる者(審査請求人)がした相続税の申告を巡って、原処分庁が相続税の申告は期限後申告であると判断して国税通則法66条に基づく賦課決定処分をしてきたため、死因贈与契約に基づいて権利を取得した者らが相続税の申告は期限内申告であったなどと主張して、原処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 つまり、相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内(通法27①)に提出されていない期限後申告書であるか否かが争点になった事案であるが、相続人側は死因贈与契約により財産を取得することが確定したのは、相続財産管理人による相続債権者・受遺者に対する債権申出催告の公告に係る請求申出期間満了日を経過したときであり、権利が未確定な状態では相続税27条1項が定める「相続の開始があったことを知った」とはいえず、相続の開始があったことを知った日は権利確定主義の原則に基づけば、死因贈与契約に基づく権利が確定した日の翌日から10ヵ月以内に提出された申告書は期限内申告書に該当すると主張して、原処分の取消しを求めたわけだ。

 裁決は、請求人らは被相続人に係る相続開始日に、死因贈与契約に基づく権利を取得することが確定し、自己のために相続開始があったことを知ったのであるから、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヵ月を経過する日までに相続税の申告書を提出しなければならなかったところ、申告期限の日が経過する日までに相続税の申告書を提出しなかったのであるから、請求人らが提出した相続税の申告書は期限後申告書であると判断して、請求人側の主張を斥けた。

 また、相続税の申告書が期限後申告書であるとして、期限内申告書の提出がなかったことについて国税通則法66条1項ただし書きが定める「正当な理由」があったか否かについても争われたが、期限後申告書であり、請求人らに正当な理由があるとは認められないとして、原処分はいずれも適法であると判断、請求を棄却した。

(2020.12.14 国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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9月2日更新

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2021.08.23 16:16:43