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会計検査院が税の徴収過不足1億7831万円を指摘

 会計検査院が11月10日に内閣に送付した令和元年度決算検査報告における財務省に対する不当事項によると、検査した49の税務署の納税者86人から税の徴収過不足が1億7831万円(徴収不足1億7163万円、徴収過大668万円)あったことがわかった。

 納税者が申告した所得金額や税額等の誤りの見過ごしや、法令等の適用の検討不十分、課税資料の収集・活用の不的確などが過不足の原因で、検査結果を受けこれらの額は全て徴収や支払決定の処置がとられている。

 過不足件数・税額が最も多かった税目は、法人税の33件(徴収不足が32件7873万円、徴収過大が1件668万円)で、そのうち受取配当等の益金不算入に関するものが14件と法人税全体の半数近くを占めた。

 たとえば、A社の場合、平成28年7月から29年6月までの事業年度分の申告で、非支配目的株式等に係る受取配当等の額を1億4141万円とし、この金額の20%相当額2828万円を受取配当等の益金不算入額としていた。しかし、この受取配当等の額には、受取配当等の益金不算入の対象とならない証券投資信託の収益の分配金が含まれていたことなどから、その事業年度分の所得の金額が過小となっているのに、税務署はこれを見過ごしたため、法人税額661万円が徴収不足になっていた。

 受取配当等の益金不算入に関しては、ここ数年、法人税で最も指摘件数が多いことから、納税者が誤りやすく税務署も見過ごしやすい制度といえるかもしれない。

財務省に対する不当事項(租税の徴収額に過不足)について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 会計検査院が11月10日に内閣に送付した令和元年度決算検査報告における財務省に対する不当事項によると、検査した49の税務署の納税者86人から税の徴収過不足が1億7831万円(徴収不足1億7163万円、徴収過大668万円)あったことがわかった。 納税者が申告した所得金額や税額等の誤りの見過ごしや、法令等の適用の検討不十分、課税資料の収集・活用の不的確などが過不足の原因で、検査結果を受けこれらの額は全て徴収や支払決定の処置がとられている。 過不足件数・税額が最も多かった税目は、法人税の33件(徴収不足が32件7873万円、徴収過大が1件668万円)で、そのうち受取配当等の益金不算入に関するものが14件と法人税全体の半数近くを占めた。 たとえば、A社の場合、平成28年7月から29年6月までの事業年度分の申告で、非支配目的株式等に係る受取配当等の額を1億4141万円とし、この金額の20%相当額2828万円を受取配当等の益金不算入額としていた。しかし、この受取配当等の額には、受取配当等の益金不算入の対象とならない証券投資信託の収益の分配金が含まれていたことなどから、その事業年度分の所得の金額が過小となっているのに、税務署はこれを見過ごしたため、法人税額661万円が徴収不足になっていた。 受取配当等の益金不算入に関しては、ここ数年、法人税で最も指摘件数が多いことから、納税者が誤りやすく税務署も見過ごしやすい制度といえるかもしれない。
2020.11.12 16:16:19