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自民保守会派が消費減税案 1年限定で8%に引き下げ

 自民党の保守系議員59人でつくる「日本の尊厳と国益を護る会」は8月25日の会合で、1年間限定で消費税率を10%から8%に戻す減税案を試案として示した。これまでの5%案を修正し、より現実的な路線で実現に向けた圧力を強めている。
 新型コロナウイルスの感染拡大で経済が大幅に落ち込み、雇用や所得にも影響が出始めている。消費減税で国民負担の軽減を図る狙いがある。
 護る会によると、使途が決まっていない予備費5兆円を財源にする。消費税1%分の税収は約2.5兆円のため、5兆円で2%分をカバーできるとしている。
 護る会はこれまで、5%減税案を示していたが、消費税収が社会保障や教育無償化の財源となっていることに配慮した。
 衆院の任期満了まで約1年となり、選挙をにらんで具体的な成果や取り組みをアピールする狙いもある。野党内にも与党との対決軸として消費税減税を目指す動きが表面化しており、内閣不支持率が高止まりしている中で自民党内にも焦りが募っている。
 8月5日に開かれた政府税調では、コロナ対策で新規赤字国債を大量発行したことを踏まえ「金利が上がったら大変なことになる」「今から財政立て直しを考えるべきだ」といった意見が続出。「消費増税を中核に据えた骨太の議論が必要」と踏み込んだ意見もあり、護る会のメンバーはツイッター上で「必ず阻止する」と反応した。
 政府税調の中里実会長は会見で消費税について「政治マターだ」と述べ、深入りを避けている。財政健全化のための増税についても「今すぐにというわけにはいかない」と慎重だが、政治からの圧力が強まることで、専門家による大局的で冷静な議論が脅かされる懸念も潜んでいる。

提供元:エヌピー通信社

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 自民党の保守系議員59人でつくる「日本の尊厳と国益を護る会」は8月25日の会合で、1年間限定で消費税率を10%から8%に戻す減税案を試案として示した。これまでの5%案を修正し、より現実的な路線で実現に向けた圧力を強めている。 新型コロナウイルスの感染拡大で経済が大幅に落ち込み、雇用や所得にも影響が出始めている。消費減税で国民負担の軽減を図る狙いがある。 護る会によると、使途が決まっていない予備費5兆円を財源にする。消費税1%分の税収は約2.5兆円のため、5兆円で2%分をカバーできるとしている。 護る会はこれまで、5%減税案を示していたが、消費税収が社会保障や教育無償化の財源となっていることに配慮した。 衆院の任期満了まで約1年となり、選挙をにらんで具体的な成果や取り組みをアピールする狙いもある。野党内にも与党との対決軸として消費税減税を目指す動きが表面化しており、内閣不支持率が高止まりしている中で自民党内にも焦りが募っている。 8月5日に開かれた政府税調では、コロナ対策で新規赤字国債を大量発行したことを踏まえ「金利が上がったら大変なことになる」「今から財政立て直しを考えるべきだ」といった意見が続出。「消費増税を中核に据えた骨太の議論が必要」と踏み込んだ意見もあり、護る会のメンバーはツイッター上で「必ず阻止する」と反応した。 政府税調の中里実会長は会見で消費税について「政治マターだ」と述べ、深入りを避けている。財政健全化のための増税についても「今すぐにというわけにはいかない」と慎重だが、政治からの圧力が強まることで、専門家による大局的で冷静な議論が脅かされる懸念も潜んでいる。提供元:エヌピー通信社
2020.08.27 16:40:54