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相続した土地は使用貸借契約に基づくものと認定

 相続によって取得した各土地が借地権の目的となっている宅地に該当するか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、貸借関係における権利金の有無、支払地代の水準、貸主と借主との関係及び契約の経緯や趣旨を総合的に考慮すると、使用貸借契約に基づくものと認めるのが相当と認定した上で、各土地は借地権の目的となっている宅地には該当しないと判断、審査請求人側の主張を斥けた。

 この事件は、相続によって土地を取得した相続人(審査請求人)らが、各土地が借地権の目的になっていると判断して相続税の申告を行ったところ、原処分庁が各土地は借地権の目的となっている宅地には該当しないなどと判断、相続税の更正処分等を行ってきたため、相続人らが原処分の一部取消しを求めて審査請求したいという事案である。

 審査請求において請求人らは、それぞれが相続した被相続人所有の各土地について、被相続人と請求人らとの間で各土地上の請求人らの建物の所有を目的とした各土地賃貸借契約を締結していたことに基づいて、各契約に基づく地代としての金員を被相続人にそれぞれ支払っており、その年額は各土地に係る固定資産税及び都市計画税の額をそれぞれ上回っていたのであるから、使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いにおける「使用貸借による土地の借受けがあった場合」の定めから、各土地契約は使用貸借に係るものではないなどとして、各土地は借地権の目的となっている土地である旨主張した。

 しかし裁決は、1)請求人らによる各土地の使用は、各支払金員の支払いが開始する以前においては使用貸借によるものであり、その後も請求人らと被相続人との間で権利金の授受がない、2)各支払金員の額は固定資産税等の額と同程度である、3)各支払金員の年額は被相続人が第三者に賃貸していた各土地の近隣の駐車場用地の賃料の年額に比して低廉である、4)被相続人と請求人らは親子関係にある――などの事実関係客観的に判断すると、各支払金員は各土地の使用収益に対する対価であるとは認められず、請求人らは使用貸借契約に基づき使用収益したものと認めるのが相当であると認定した上で、各土地は借地権の目的となっている土地であると認めることはできないという判断を示した。

 ただ、一部の土地について評価単位を見直したところに基づいて評価した結果、審判所認定額が原処分庁認定額を下回ったことから、原処分の一部を取り消した。

(2019.09.17国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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5月6日更新

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 相続によって取得した各土地が借地権の目的となっている宅地に該当するか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、貸借関係における権利金の有無、支払地代の水準、貸主と借主との関係及び契約の経緯や趣旨を総合的に考慮すると、使用貸借契約に基づくものと認めるのが相当と認定した上で、各土地は借地権の目的となっている宅地には該当しないと判断、審査請求人側の主張を斥けた。 この事件は、相続によって土地を取得した相続人(審査請求人)らが、各土地が借地権の目的になっていると判断して相続税の申告を行ったところ、原処分庁が各土地は借地権の目的となっている宅地には該当しないなどと判断、相続税の更正処分等を行ってきたため、相続人らが原処分の一部取消しを求めて審査請求したいという事案である。 審査請求において請求人らは、それぞれが相続した被相続人所有の各土地について、被相続人と請求人らとの間で各土地上の請求人らの建物の所有を目的とした各土地賃貸借契約を締結していたことに基づいて、各契約に基づく地代としての金員を被相続人にそれぞれ支払っており、その年額は各土地に係る固定資産税及び都市計画税の額をそれぞれ上回っていたのであるから、使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いにおける「使用貸借による土地の借受けがあった場合」の定めから、各土地契約は使用貸借に係るものではないなどとして、各土地は借地権の目的となっている土地である旨主張した。 しかし裁決は、1)請求人らによる各土地の使用は、各支払金員の支払いが開始する以前においては使用貸借によるものであり、その後も請求人らと被相続人との間で権利金の授受がない、2)各支払金員の額は固定資産税等の額と同程度である、3)各支払金員の年額は被相続人が第三者に賃貸していた各土地の近隣の駐車場用地の賃料の年額に比して低廉である、4)被相続人と請求人らは親子関係にある――などの事実関係客観的に判断すると、各支払金員は各土地の使用収益に対する対価であるとは認められず、請求人らは使用貸借契約に基づき使用収益したものと認めるのが相当であると認定した上で、各土地は借地権の目的となっている土地であると認めることはできないという判断を示した。 ただ、一部の土地について評価単位を見直したところに基づいて評価した結果、審判所認定額が原処分庁認定額を下回ったことから、原処分の一部を取り消した。(2019.09.17国税不服審判所裁決)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2020.08.03 14:37:48