HOME ニュース一覧 企業の税務手続き 完全電子化へ 軽減税率による事務煩雑化に対応

税ニュース

企業の税務手続き 完全電子化へ 軽減税率による事務煩雑化に対応

 財務省は企業の税務手続きについて完全な電子化を認める方針を決めた。現状は領収書や請求書は原則として紙で保存する義務があるが、クラウド上の会計ソフトでデータに変換し、自動的に会計や税務処理を済ませられるようにする。11月から始まる与党の税制調査会での議論を踏まえ、電子帳簿保存法の改正を2020年度の税制改正大綱に盛り込む見通しだ。
 企業はさまざまな取引を勘定科目に分類し、1年の決算期が終わった段階で貸借対照表や損益計算書を作成し、申告する。10月に消費税率が10%に引き上げられたが、軽減税率の適用による従来の8%と並存する形になり、経理の事務作業がさらに煩雑になることが懸念されていた。
 クラウドの会計サービスを使えばこうした負担は軽減されるが、消費税の控除や納税額を計算する根拠となる領収書や請求書については現在、紙で保存するルールがある。財務省は一定の条件を満たしたサービスを使えば、規制を緩和して企業の税務処理を完全に電子化することを認める考えだ。また税に絡んだ情報の電子化は、企業の課税逃れをチェックしやすくなるというメリットもある。
 軽減税率の導入に伴い、企業は請求書やレシートに税率ごとの売上額を記入することになった。さらに23年10月から始まるインボイス(税額票)制度では、税率ごとの消費税額や税務署から割り振られる登録番号などを書き込む必要があり、財務省は法改正によりクラウドの活用でスムーズに対応することを促す。

提供元:エヌピー通信社

この記事のカテゴリ

関連リンク

消費増税 再引き上げ狙う財務省 「しばらく身をかがめておく」

税務・会計に関する情報を毎週無料でお届けしています!

メルマガ登録はこちら


税ニュース
/news/tax/2019/img/img_zeisei_01_s.jpg
 財務省は企業の税務手続きについて完全な電子化を認める方針を決めた。現状は領収書や請求書は原則として紙で保存する義務があるが、クラウド上の会計ソフトでデータに変換し、自動的に会計や税務処理を済ませられるようにする。11月から始まる与党の税制調査会での議論を踏まえ、電子帳簿保存法の改正を2020年度の税制改正大綱に盛り込む見通しだ。 企業はさまざまな取引を勘定科目に分類し、1年の決算期が終わった段階で貸借対照表や損益計算書を作成し、申告する。10月に消費税率が10%に引き上げられたが、軽減税率の適用による従来の8%と並存する形になり、経理の事務作業がさらに煩雑になることが懸念されていた。 クラウドの会計サービスを使えばこうした負担は軽減されるが、消費税の控除や納税額を計算する根拠となる領収書や請求書については現在、紙で保存するルールがある。財務省は一定の条件を満たしたサービスを使えば、規制を緩和して企業の税務処理を完全に電子化することを認める考えだ。また税に絡んだ情報の電子化は、企業の課税逃れをチェックしやすくなるというメリットもある。 軽減税率の導入に伴い、企業は請求書やレシートに税率ごとの売上額を記入することになった。さらに23年10月から始まるインボイス(税額票)制度では、税率ごとの消費税額や税務署から割り振られる登録番号などを書き込む必要があり、財務省は法改正によりクラウドの活用でスムーズに対応することを促す。提供元:エヌピー通信社
2019.10.17 18:49:55