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省庁横断で対応一本化 「GAFA包囲網」構築へ

 政府が巨大IT企業への規制強化を急いでいる。省庁横断の専門家組織を作るとともに、2020年の通常国会で「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法」(仮称)を提出する方針だ。国境を超えた”税逃れ”をしているとされる巨大IT企業への課税についても、世界各国と協議しながら国際的なルール作りを進めている。
 巨大IT企業とは、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの4社のことで、各社の頭文字から「GAFA」と呼ばれる。いずれも生活や社会に不可欠なIT技術やソーシャルメディアの基盤を提供している会社だが、市場を寡占的に支配し、問題も多いと指摘されている。
 これまでは、経済産業省、公正取引委員会、総務省、個人情報保護委員会などが、分野ごとにそれぞれバラバラにGAFAに対応してきた。政府は今後、省庁横断的に多様かつ高度な知見を有する専門家で構成される、国内外のデータ・デジタル市場に関する専門組織 「デジタル市場競争本部」(仮称)を早い時期に創設する。デジタル市場を俯瞰して評価し、デジタル市場に関する基本方針を企画、調整する権限を与えるとともに、イノベーション促進のための振興策なども手がけさせる。
 さらにGAFAについては、圧倒的な市場優位性を背景に、利用者との取引において、①契約条件やルールの押しつけ、②サービスの押しつけや過剰なコスト負担、③データへのアクセスの過度な制限――などを迫るケースが増えているとの指摘がある。政府はデジタル市場に特有に生じる取引慣行の透明性や公正性の確保のためのルール作りを進めていて、来年の通常国会での法案提出を目指す。
 これらの大企業は国内に主な拠点がなく、日本に税が納められていないという悩みもあった。GAFAに対しては、「国内で幅広くサービスしているのに、日本に納税しないのはおかしい」(自民党若手)との声も大きく、政府は世界各国と協議しながら国際的な課税ルール作りを主導したい考えだ。

提供元:エヌピー通信社

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 政府が巨大IT企業への規制強化を急いでいる。省庁横断の専門家組織を作るとともに、2020年の通常国会で「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法」(仮称)を提出する方針だ。国境を超えた”税逃れ”をしているとされる巨大IT企業への課税についても、世界各国と協議しながら国際的なルール作りを進めている。 巨大IT企業とは、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの4社のことで、各社の頭文字から「GAFA」と呼ばれる。いずれも生活や社会に不可欠なIT技術やソーシャルメディアの基盤を提供している会社だが、市場を寡占的に支配し、問題も多いと指摘されている。 これまでは、経済産業省、公正取引委員会、総務省、個人情報保護委員会などが、分野ごとにそれぞれバラバラにGAFAに対応してきた。政府は今後、省庁横断的に多様かつ高度な知見を有する専門家で構成される、国内外のデータ・デジタル市場に関する専門組織 「デジタル市場競争本部」(仮称)を早い時期に創設する。デジタル市場を俯瞰して評価し、デジタル市場に関する基本方針を企画、調整する権限を与えるとともに、イノベーション促進のための振興策なども手がけさせる。 さらにGAFAについては、圧倒的な市場優位性を背景に、利用者との取引において、①契約条件やルールの押しつけ、②サービスの押しつけや過剰なコスト負担、③データへのアクセスの過度な制限――などを迫るケースが増えているとの指摘がある。政府はデジタル市場に特有に生じる取引慣行の透明性や公正性の確保のためのルール作りを進めていて、来年の通常国会での法案提出を目指す。 これらの大企業は国内に主な拠点がなく、日本に税が納められていないという悩みもあった。GAFAに対しては、「国内で幅広くサービスしているのに、日本に納税しないのはおかしい」(自民党若手)との声も大きく、政府は世界各国と協議しながら国際的な課税ルール作りを主導したい考えだ。提供元:エヌピー通信社
2019.06.13 17:06:54