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幼保無償化法が成立 これで消費増税は撤回できず?

 幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法が5月10日、参院本会議で可決・成立した。財源は10月予定の消費税引き上げ分をあてる。そのため、永田町や霞が関周辺でくすぶる「消費増税延期・衆参同日選」も遠のいたとの声がある。ただ一方で米中対立が先鋭化し、日本の景気動向も不透明さを増すなか、悲願の増税がなるか、財務官僚はまだ疑心暗鬼だ。
 すでに2回消費増税を見送ったことがある安倍首相。今度こそ増税を果たしたい財務官僚や出身の官邸官僚が編み出したのが幼保無償化で、財源を消費増税分とひもづけた。当然、増税による財政健全化の効果は薄れるが、目玉政策とセットにすることで首相もおいそれと増税を撤回できなくなる「抱きつき戦略」だった。確かに安倍首相も国会で、「財源は消費増税分だ」と改めて明言している。
 ただ、そんな経緯のある同法が成立しても、増税延期の観測は消えない。米中の貿易摩擦が再び悪化し、日本経済も不透明感を増しているからだ。景気悪化を理由に増税を延期するなら、幼保無償化は経済政策として行う理由は付く。
 幼保無償化は、待機児童解消には役立たないなど、課題も指摘されている。消費増税の「人質」のつもりで、プライドを捨て、あめ玉のような政策をのんだ財務官僚たち。だが、臆面の無さは政権の方が上回っているかもしれない。

提供元:エヌピー通信社

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 幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法が5月10日、参院本会議で可決・成立した。財源は10月予定の消費税引き上げ分をあてる。そのため、永田町や霞が関周辺でくすぶる「消費増税延期・衆参同日選」も遠のいたとの声がある。ただ一方で米中対立が先鋭化し、日本の景気動向も不透明さを増すなか、悲願の増税がなるか、財務官僚はまだ疑心暗鬼だ。 すでに2回消費増税を見送ったことがある安倍首相。今度こそ増税を果たしたい財務官僚や出身の官邸官僚が編み出したのが幼保無償化で、財源を消費増税分とひもづけた。当然、増税による財政健全化の効果は薄れるが、目玉政策とセットにすることで首相もおいそれと増税を撤回できなくなる「抱きつき戦略」だった。確かに安倍首相も国会で、「財源は消費増税分だ」と改めて明言している。 ただ、そんな経緯のある同法が成立しても、増税延期の観測は消えない。米中の貿易摩擦が再び悪化し、日本経済も不透明感を増しているからだ。景気悪化を理由に増税を延期するなら、幼保無償化は経済政策として行う理由は付く。 幼保無償化は、待機児童解消には役立たないなど、課題も指摘されている。消費増税の「人質」のつもりで、プライドを捨て、あめ玉のような政策をのんだ財務官僚たち。だが、臆面の無さは政権の方が上回っているかもしれない。提供元:エヌピー通信社
2019.05.17 08:55:56