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29事務年度所得税調査での申告漏れ所得は9038億円

 国税庁がこのほど公表した平成29事務年度所得税及び消費税調査等の状況によると、今年6月までの個人に対する所得税調査は、前年度比3.8%減の62万3千件行われ、うち61.6%に当たる38万4千件から同1.7%増の9038億円の申告漏れ所得を把握、その追徴税額は1196億円だった。1件平均145万円の申告漏れに対し19万円を追徴している。

 実地調査における特別調査・一般調査(高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に行う深度ある調査)は5万件実施し、約86%に当たる4万3千件から総額5080億円の申告漏れ所得を把握、887億円を追徴した。調査1件あたりの申告漏れは1021万円と、全体の平均145万円を大きく上回る。また、着眼調査(資料情報や事業実態の解明を通じて行う短期間の調査)は2万3千件行われ、1万7千件から814億円の申告漏れを見つけ、60億円を追徴した。1件あたり平均申告漏れは351万円。

 一方、簡易な接触は55万件行われ、32万3千件から3143億円の申告漏れを把握して249億円を追徴した。1件あたりの平均申告漏れは57万円だった。

 この結果、実地調査合計では7万3千件の調査を行い、このうち6万件から5894億円の申告漏れを見つけ、947億円を追徴している。つまり、実地調査件数は全体の約12%に過ぎないが、申告漏れ所得は全体の65.2%を把握しており、高額・悪質な事案を優先して深度ある調査を的確に実施する一方、短期間で申告漏れ所得等の把握を行う効率的・効果的な所得税調査が実施されていることがうかがえる。

 業種別1件あたりの申告漏れ所得高額業種は、「キャバクラ」(2897万円)、「風俗業」(1974万円)、「不動産代理仲介」(1774万円)までがワースト3。前年に比べ1位と2位が入れ替わるとともに、不動産代理仲介が14位から3位となった。

 なお、課税事業者又は課税事業者と認められる者を対象にした所得税との同時調査や無申告者に対する単独での消費税調査では、8万8千件(前年度8万7千件)に調査を実施して6万2千件(同6万1千件)から非違を把握し、その追徴税額は加算税を含め322億円(同301億円)だった。

平成29事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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 国税庁がこのほど公表した平成29事務年度所得税及び消費税調査等の状況によると、今年6月までの個人に対する所得税調査は、前年度比3.8%減の62万3千件行われ、うち61.6%に当たる38万4千件から同1.7%増の9038億円の申告漏れ所得を把握、その追徴税額は1196億円だった。1件平均145万円の申告漏れに対し19万円を追徴している。 実地調査における特別調査・一般調査(高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に行う深度ある調査)は5万件実施し、約86%に当たる4万3千件から総額5080億円の申告漏れ所得を把握、887億円を追徴した。調査1件あたりの申告漏れは1021万円と、全体の平均145万円を大きく上回る。また、着眼調査(資料情報や事業実態の解明を通じて行う短期間の調査)は2万3千件行われ、1万7千件から814億円の申告漏れを見つけ、60億円を追徴した。1件あたり平均申告漏れは351万円。 一方、簡易な接触は55万件行われ、32万3千件から3143億円の申告漏れを把握して249億円を追徴した。1件あたりの平均申告漏れは57万円だった。 この結果、実地調査合計では7万3千件の調査を行い、このうち6万件から5894億円の申告漏れを見つけ、947億円を追徴している。つまり、実地調査件数は全体の約12%に過ぎないが、申告漏れ所得は全体の65.2%を把握しており、高額・悪質な事案を優先して深度ある調査を的確に実施する一方、短期間で申告漏れ所得等の把握を行う効率的・効果的な所得税調査が実施されていることがうかがえる。 業種別1件あたりの申告漏れ所得高額業種は、「キャバクラ」(2897万円)、「風俗業」(1974万円)、「不動産代理仲介」(1774万円)までがワースト3。前年に比べ1位と2位が入れ替わるとともに、不動産代理仲介が14位から3位となった。 なお、課税事業者又は課税事業者と認められる者を対象にした所得税との同時調査や無申告者に対する単独での消費税調査では、8万8千件(前年度8万7千件)に調査を実施して6万2千件(同6万1千件)から非違を把握し、その追徴税額は加算税を含め322億円(同301億円)だった。
2018.12.03 16:40:33