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請負代金は工事完了の事業年度の益金に算入するのが相当と判断、棄却

 改修工事に係る請負金額の収益計上時期の判断が争われた事件で国税不服審判所は、改修工事の発注者に工事完了年月日までに工事の全部を完了して引き渡していると認定した上で、改修工事に係る請負代金は工事完了年月日の事業年度の益金に算入するのが相当と判断、審査請求を棄却した。しかし、原処分庁認定額が審判所認定額を上回った部分があったためその部分が取り消され、結果的に一部取消しとなった。

 この事件は、土木工事の設計施工及び請負業等を営む法人が、改修工事を請け負った公共工事が事業年度末までに未完成であったという判断から、工事に係る請負代金の額を未成工事受入金として経理した上で、法人税並びに消費税等の確定申告をしたのが発端となった。

 この申告に対して原処分庁が、改修工事は事業年度末までに完成し、引渡しも済んでいると認定、工事に係る請負代金の額から消費税等の額を控除した額をその事業年度の益金の額に算入すべきであると判断、法人税等の更正処分等をしてきた。そこで法人側が、その工事は翌事業年度においても現場管理を継続していたのであるから未完成であり、その事業年度の益金には算入すべきではないと主張して、原処分の全部取消しを求めるとともに、併せて延滞税の減額を求めて審査請求したという事案である。

 つまり請求人側は、改修工事の必要な工事を終えて発注者に竣工届を提出し、発注者からは工事完了年月日をその4日後とする検査通知書を受領しているものの、工事には次期工事が開始されるまでの間、工事の完了箇所及び次期工事予定区域を囲うためにバリケードを設置して現場管理することが含まれており、それらの作業は半年後まで継続して行われ、工事は事業年度末までに完了していなかったという主張を展開、工事の請負代金の額は、検査通知書に記された工事完了年月日を含む事業年度の益金には算入されない旨主張して、原処分の取消しを求めたわけだ。

 しかし裁決はまず、工事にはバリケードの管理及び施工区域の管理等は含まれていないと指摘して請求人側の主張を否定。その上で、発注者に竣工届を提出し、同月の末日付けで工事の請負代金の残額を請求したこと、発注者が検査通知書を発行した日以降、バリケードの管理及び施工区域の管理等をしていたことからすれば、同日までに発注者に工事の全部を完了して引き渡したと認められるから、工事の請負代金の額は、その事業年度の益金の額に算入するのが相当と判断して、請求人側の益金算入の時期に係る主張を斥けた。

                          (2017.10.04国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)



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3月31日更新

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2018.08.27 16:33:32