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相続した土地の取得費は売主側作成の土地台帳に記載された金額

 相続した土地の譲渡に係る分離長期譲渡所得の金額を計算する際に控除すべき取得費の金額の判断が争われた事件で国税不服審判所は、審査請求人及び原処分庁の主張をそれぞれ斥けた上、被相続人が土地を取得した時に売主側が作成した土地台帳に記載された金額にするのが相当と判断、原処分庁認定額が審判所認定額を上回っていたことから、結果的に、原処分の一部取消しという裁決内容になった。

 この事件は、相続により取得した土地を相続人が譲渡し、その分離長期譲渡所得の金額の計算上、譲渡収入金額の100分の5相当額を取得費として計算、所得税及び復興特別所得税の確定申告をしたのが発端となった。

 その申告後、地価公示価格に基づく推計金額を取得費にすべきであるという考えから更正の請求をしたところ、原処分庁が地価公示価格に基づく推計金額は実額の取得費ではないという判断から更正処分をしてきた。そこで請求人側が、原処分の一部取消しを求めて審査請求したという事案である。

 請求人側は、取得費は地価公示価格から推計した金額によるべきである旨主張して原処分の取消しを求めたが、原処分庁側は、土地の取得に要した金額の実額が不明であるから、譲渡収入金額の100分の5相当額いわゆる概算取得費が取得費として相当と主張して、審査請求の棄却を求めた。

 しかし裁決は、審判所自らの調査による事実関係を踏まえ、被相続人が土地を取得した際に売主が作成した土地台帳の記載内容は信用性が高く、記載内容どおりの事実を認定することができることから、土地台帳に記載された金額を取得費と認めるのが相当と指摘、請求人側主張の取得費は推計したものに過ぎないことから採用することはできないとして斥けた。

 つまり、控除すべき取得費は、請求人側が主張する地価公示価格から推計した金額によることも、原処分庁側が主張する概算取得費によることもできないという判断から、請求人側、原処分側のそれぞれの主張を斥けたわけだ。ただし、分離長期譲渡所得等に係る審判所認定額が原処分庁の認定額を下回ったため、結果的には原処分の一部取消しという裁決内容になった。

(2017.12.13国税不服審判所裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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10月17日更新

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 相続した土地の譲渡に係る分離長期譲渡所得の金額を計算する際に控除すべき取得費の金額の判断が争われた事件で国税不服審判所は、審査請求人及び原処分庁の主張をそれぞれ斥けた上、被相続人が土地を取得した時に売主側が作成した土地台帳に記載された金額にするのが相当と判断、原処分庁認定額が審判所認定額を上回っていたことから、結果的に、原処分の一部取消しという裁決内容になった。 この事件は、相続により取得した土地を相続人が譲渡し、その分離長期譲渡所得の金額の計算上、譲渡収入金額の100分の5相当額を取得費として計算、所得税及び復興特別所得税の確定申告をしたのが発端となった。 その申告後、地価公示価格に基づく推計金額を取得費にすべきであるという考えから更正の請求をしたところ、原処分庁が地価公示価格に基づく推計金額は実額の取得費ではないという判断から更正処分をしてきた。そこで請求人側が、原処分の一部取消しを求めて審査請求したという事案である。 請求人側は、取得費は地価公示価格から推計した金額によるべきである旨主張して原処分の取消しを求めたが、原処分庁側は、土地の取得に要した金額の実額が不明であるから、譲渡収入金額の100分の5相当額いわゆる概算取得費が取得費として相当と主張して、審査請求の棄却を求めた。 しかし裁決は、審判所自らの調査による事実関係を踏まえ、被相続人が土地を取得した際に売主が作成した土地台帳の記載内容は信用性が高く、記載内容どおりの事実を認定することができることから、土地台帳に記載された金額を取得費と認めるのが相当と指摘、請求人側主張の取得費は推計したものに過ぎないことから採用することはできないとして斥けた。 つまり、控除すべき取得費は、請求人側が主張する地価公示価格から推計した金額によることも、原処分庁側が主張する概算取得費によることもできないという判断から、請求人側、原処分側のそれぞれの主張を斥けたわけだ。ただし、分離長期譲渡所得等に係る審判所認定額が原処分庁の認定額を下回ったため、結果的には原処分の一部取消しという裁決内容になった。(2017.12.13国税不服審判所裁決)提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)
2018.08.06 16:05:39