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取引先からの入金は貸付金の返済ではなく経済的価値の流入

 顧客紹介事業を営む者が管理する預金口座に、取引先である自販機設置業者から入金された金員がその自販機設置業者に有していた貸付金の返済であるか、手数料として事業所得の収入金額に該当するか否かの判断が争われた事件で国税不服審判所は、自販機設置業者との間で締結された飲料水等の自動販売機設置契約に基づく手数料であると認定した上で、審査請求を棄却した。
 
 この事件は、飲料水の販売業者に顧客を紹介する紹介事業等を営む審査請求人の所得税、消費税及び地方消費税の申告を巡って、原処分庁が請求人の管理する預金口座への取引先からの入金を収入に当たると認定、決定処分及び重加算税の賦課決定処分を行ってきたのがそもそもの発端となった。

 そこで請求人側が、入金された金員は立替金の返済を受けたものであるから収入には当たらないなどと主張して、原処分の全部取消しを求めて審査請求したという事案である。つまり請求人側は、本来、自販機設置業者がパチンコ店経営会社に支払うべき協賛金を請求人が立て替え、自販機設置業者がパチンコ店に設置した自動販売機の売上げの一部を、貸付金等の返済に充てる旨契約したことに基づく貸付金等の回収であるという主張を展開して、原処分の取消しを求めたわけだ。
 
 これに対して審判所は、請求人の預金口座に入金された金員は、請求人と自販機設置業者との間で締結した契約に基づき、請求人が自販機設置業者に飲料水等の自動販売機を設置させ、飲料水等を販売させることにより、その自販機設置業者から販売本数に応じた手数料として請求人に支払われたものであるから、外部からの経済的価値の流入である収入に該当し、その全額が請求人の収入すべき金額になると認定。
 
 さらに、請求人と自販機設置業者との間で、その契約以外に金銭授受を伴う契約が締結された事実は認められないことからすると、請求人の預金口座に入金された金員は、自販機設置業者に対する貸付金の返済であるとは認められないとも認定して、審査請求を棄却した。
 
 争点はこの他、理由附記の不備、隠ぺい・仮装の行為、偽りその他不正の行為の有無等々も争われたが、請求人のそれぞれの主張には理由がないとして斥けられた。ただ、基礎となる各税額に基づき各年分の重加算税の額を計算すると、審判所認定額がいずれも所得税等の賦課決定処分の額を下回ることになることから、結果的には、所得税等の賦課決定処分の一部を取り消す旨の裁決結果となった。
 
  (国税不服審判所2017.02.06裁決)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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10月4日更新

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2018.07.05 18:27:03