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還付加算金と弁護士費用に直接の対応関係はないと判示して棄却

 税務訴訟による更正処分の取消しに伴って支払われた還付加算金を雑所得として申告する際に、その税務訴訟に要した弁護士費用が雑所得から控除されるべきか否かの判断が争われた事件で東京地裁(岩井伸晃裁判長)は、還付加算金が弁護士費用や判決との間に間接的な関連性を有するものの、弁護士費用とは直接の対応関係を有していないことから必要経費には該当しない旨判示して、棄却した。

 この事件は、更正処分の取消しを命じる判決の結果、納税者が還付加算金等の支払いを受け、その還付加算金を雑所得として申告した後、税務訴訟に要した弁護士費用が必要経費に該当するものであるから、雑所得から控除されるべきであるとして更正の請求をしたのが発端となった。

 これに対して原処分庁が、更正すべき理由がない旨の通知処分をしてきたため、納税者側が過納金と還付加算金の各金額に応じて按分した還付加算金に対応する金額は必要経費に該当すると主張して、通知処分の取消しを求めて提訴したという事案。つまり、弁護士費用を過納金と還付加算金の金額に応じて按分した還付加算金に該当する金額が、雑所得に係る必要経費に該当するか否かが、争点の一つになった事案である。

 判決はまず、還付加算金が所得税法35条1項の雑所得に該当するという解釈に基づき、同法37条1項が定める必要経費の意義に触れ、弁護士費用の按分額が雑所得に係る総収入金額から控除されるべき必要経費に該当するか否かを検討した結果、必要経費といえるには、所得を生ずべき業務と直接的な関連性を有し、その業務の遂行上必要な費用であることを要すると解するのが相当という解釈を示した。

 その上で、納税者勝訴の判決に基づいて受けた直接の経済的利益は過納金の還付による経済的利益というべきであり、弁護士費用と直接の対応関係を有するのも過納金の還付による経済的利益というべきであると判断した。

 しかし、還付加算金が支払われたのは、判決の効力によって過納金が生じ、過納金の支払決定によって還付を受けることになったことなど法定の還付加算要件を満たした結果によるものであり、判決の直接の効力によって還付加算金が生じたものではないと指摘。結局、総収入金額を得るため、直接に要した費用に該当するとはいえないと判示して、棄却した。

                (2016.11.29東京地裁判決、平成27年(行ウ)第388号)

提供元:21C・TFフォーラム(株式会社タックス・コム)

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6月1日更新

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2017.08.22 10:29:03