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8月M&A、過去2番目の高水準

 8月のM&A件数は前年同月比14件減の72件となった。ただ、8月としては過去10年間で最多だった昨年に次ぐ2番目の高水準だった。海外企業を対象とする買収は19件、買収金額10億円超の案件は25件あり、いずれも今年の最多となった。日銀による金融緩和や「選択と集中」を進める企業の動きが、引き続きM&A市場を後押ししている。

 最大の案件は不動産・ホテル業を手がけるユニゾホールディングスの完全子会社化を目的とする米投資会社フォートレス・インベストメント・グループのTOB(株式公開買い付け)で、買収金額は最大1368億円。旅行大手エイチ・アイ・エスによる敵対的TOBに対抗して、ユニゾ経営陣が賛同する“ホワイトナイト(白馬の騎士)”として参戦した。

 海外案件は18件(国内企業がターゲットを含む)。DICは1162億円を投じ、ドイツ化学大手BASFから顔料事業を買収する。同じくドイツでは、レンゴーが産業用重量物包装メーカーのトライコー・パッケージング&ロジスティクなど現地2社を323億円で傘下に収めた。

 調剤薬局のM&Aは引き続き活発だ。クオールホールディングス、キリン堂ホールディングス、ソフィアホールディングスの3社が地場の中小調剤薬局の買収を発表した。

2019年8月上位15傑

  開示日 銘柄 コード/市場 取引金額 概要
1 8月16日 米フォートレス・ インベストメント・グループ   約1368億円 不動産・ホテル業のユニゾホールディングス(東証1部)の完全子会社化を目的にTOBを実施。エイチ・アイ・エス(HIS)のTOBに対抗。
2 8月29日 DIC 4631東証1 約1162億円 独化学大手BASFの顔料事業を買収(関連13社を子会社化する内容)。2020年末までの買収完了を目指す。
3 8月7日 サンデンHD 6444東証1 500億円 業務用冷凍・冷蔵ショーケースなどの製造販売子会社サンデン・リテールシステム(群馬県伊勢崎市)を国内投資ファンドのインテグラルに譲渡。
4 8月8日 レンゴー 3941東証1 約323億円 ドイツ子会社を通じて、産業用重量物包装メーカーのトライコー・パッケージング&ロジスティクスなど現地2社を子会社化。
5 8月14日 エア・ウォーター 4088東証1 約204億円 産業ガス大手の独リンデからインド事業の一部(酸素、窒素、アルゴンの製造・販売・供給)を取得。
6 8月21日 味の素 2802東証1 約38億円 液体調味料メーカーの米モア・ザン・グルメ・ホールディングス(オハイオ州)の株式50.1%を取得し子会社化。
7 8月9日 ティーケーピー 3479 マ 29.27億円 レンタルオフィス世界最大手のスイスIWG傘下で、台湾で事業を運営する現地子会社13社(台湾リージャス社)の全株式を取得。
8 8月9日 韓国マジェスティゴルフ   約21億円 ジャスダック上場でゴルフ用品メーカーのマジェスティゴルフ(旧マルマン)にTOBを実施し、完全子会社化へ。
9 8月28日 J-オイルミルズ 2613東証1 20億円 坂出事業所(香川県坂出市)で手がける倉庫・不動産事業を譲渡。譲渡先は非公表。
10 8月29日 ジー・スリーHD 3647東証2 11.3億円 太陽光発電事業子会社の永九能源(東京都品川区)の全株式を、ユニ・ロット(大阪市)に譲渡。
11 8月15日 日新製糖 2117 東証1 6.9億円 王子製糖(東京都文京区)の砂糖事業を取得。王子製糖は1952年で、これまで日新製糖と生産面で協力関係にあった。
12 8月28日 カイカ 2315 JQ 6.5億円 システム開発子会社のネクス・ソリューションズ(東京都港区)の全株式を、出版社の実業之日本社に譲渡。
13 8月21日 サンコーテクノ 3425東証2 約5.5億円 プラスチック成形機などの機械輸入を手がける成光産業(東京都杉並区)の全株式を取得し子会社化。
14 8月1日 アイモバイル 6535東証1 5億円 スマートフォン向けアプリを企画・開発するオーテ(東京都北区)の全株式を取得。インターネット広告事業のサービス体制強化が狙い。
15 8月19日 北川精機 6327 JQ 4億円 合板プレス機械の製造子会社キタガワエンジニアリングの全保有株式を譲渡(キタガワエンジニアリングが自己株取得する形)。

提供元:株式会社STRIKE

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 8月のM&A件数は前年同月比14件減の72件となった。ただ、8月としては過去10年間で最多だった昨年に次ぐ2番目の高水準だった。海外企業を対象とする買収は19件、買収金額10億円超の案件は25件あり、いずれも今年の最多となった。日銀による金融緩和や「選択と集中」を進める企業の動きが、引き続きM&A市場を後押ししている。 最大の案件は不動産・ホテル業を手がけるユニゾホールディングスの完全子会社化を目的とする米投資会社フォートレス・インベストメント・グループのTOB(株式公開買い付け)で、買収金額は最大1368億円。旅行大手エイチ・アイ・エスによる敵対的TOBに対抗して、ユニゾ経営陣が賛同する“ホワイトナイト(白馬の騎士)”として参戦した。 海外案件は18件(国内企業がターゲットを含む)。DICは1162億円を投じ、ドイツ化学大手BASFから顔料事業を買収する。同じくドイツでは、レンゴーが産業用重量物包装メーカーのトライコー・パッケージング&ロジスティクなど現地2社を323億円で傘下に収めた。 調剤薬局のM&Aは引き続き活発だ。クオールホールディングス、キリン堂ホールディングス、ソフィアホールディングスの3社が地場の中小調剤薬局の買収を発表した。
2019.10.09 16:07:17