消費税転嫁対策取締り、３月末までに３３１７件を指導
経済産業省は、平成２６年４月の消費税率引上げを踏まえ、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から、公正取引委員会とも連携して、１）監視・取締り対応の強化策、２）広報・事業者からの相談対応の強化策を一体的に実施し、転嫁拒否の未然防止、違反行為への迅速な是正を行っている。このほど、消費税転嫁対策特別措置法が施行された２５年１０月１日から２９年３月末までの主な転嫁対策の取組状況をとりまとめ公表した。
監視・取締り対応の取組みでは、買手側（特定事業者）の転嫁拒否行為に対しては、転嫁対策調査官（転嫁Gメン）による監視・取締りを行っており、平成２９年３月末までの累計（公正取引委員会との合算）で、調査着手９０６３件、立入検査４４２８件を行い、指導を３３１７件（うち大規模小売事業者１３６件）、措置請求を７件、勧告・公表を３８件（同７件）実施した。
平成２９年３月末までの勧告・指導件数３３５５件を業種別にみると、「製造業」が８０９件（うち勧告１件）で最も多く、「情報通信業」が４２５件（同３件）、「建設業」が４０６件（同４件）で続く。また行為類型別では、計３４３１件のうち、「買いたたき」が２９８９件（同３８件）と全体の８７％を占めて圧倒的に多く、次いで「本体価格での交渉の拒否」２５６件、「減額」１１４件（同３件）、「役務利用・利益提供の要請」７２件だった。
勧告事例をみると、企業の信用調査、企業情報の提供等の事業を行う（株）帝国データバンクは、企業信用調査等業務を委託している個人事業者に対し、消費税率の引上げ分を上乗せせずに委託料を据え置いて支払ったとして、「買いたたき」により平成２９年３月９日に勧告されている。
提供元：２１Ｃ・ＴＦフォーラム
