I-8 |
8 資本的支出と修繕費の区分はどうする(1) |
調査官の指摘どおり、D機械に対する支出については、資本的支出として処理すべき部分があるかどうかを検討する必要があります。 修理・改良等のために行った支出を、資本的支出とするか、修繕費とするかの区分は、やや複雑ですが、おおむね次のような基準により判定することとされています。
(1)から(3)の基準に基づき、本事例を検討します。 A機械については支出額が20万円未満であるので、(1)の基準により修繕費となります。 B機械についても支出額が60万円未満であるので、(3)のイの基準により修繕費、C機械についても支出額が取得価額の10%(100万円)未満であるので、(3)のロの基準により修繕費となります。 しかし、D機械については、(3)の基準の60万円未満にも、取得価額の10%未満にも該当しませんので、形式的に修繕費として処理することはできません。したがって、実質的に資本的支出か修繕費かの判断を行う必要があります。
資本的支出か修繕費か明らかでない支出については、前述の(1)から(3)までの基準により処理できるものはないかをまず検討する必要があります。 なお、前述の(1)から(3)までの基準でも資本的支出か修繕費かの区分がつかない金額がある場合に、 (1) その金額の30%相当額か、 (2) その修理・改良等をした資産の前期末における取得価額の10%相当額のいずれか少ない金額を修繕費とし、残りを資本的支出として法人が継続して経理している場合には、その処理も認められています。 この方法を採用し、形式的に区分できる部分を多くするのも一つの方法です。
|