目次 IV-2


2 小規模宅地等の課税価格計算の特例の適用を受けられない

 小規模宅地等の特例は、相続税の申告期限までにその適用を受ける宅地等について遺産分割を行い、その内容を記載した明細書を申告書に添付しなければ適用することができません。ただし、配偶者の税額軽減の場合と同じように、原則として相続税の申告期限から3年以内に分割できれば、この特例を適用することができます。

 しかし、被相続人の所有していた宅地等が特定事業用宅地等(特例対象面積400平方メートル・減額割合80%)に該当するためには、当該宅地等を取得した被相続人の親族が相続開始時から相続税の申告期限までに当該宅地等を引き続き所有し、当該申告期限までに当該宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を承継し、申告期限まで引き続きその事業を営んでいることが必要です。

 そのため、遺産分割争いにより相続税の申告期限までの間に被相続人の事業の承継者が定まらず一時休業などである場合には、たとえ相続税の申告期限から3年以内に遺産が分割され、その後被相続人が営んでいた事業が承継(再開)されたとしても特定事業用宅地等の要件を充足しませんので、特定事業用宅地等の特例の適用は受けられません。

 

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