II-13 |
13 固定資産の交換をする場合 |
資産を交換した場合には、原則として、取得した資産の価額により譲渡があったものとして所得税が課税されますが、その交換が一定の要件を満たすときには、譲渡がなかったものとして課税を繰り延べる特例が設けられています。 なお、この特例は、交換により譲渡した資産の取得時期と取得費を、交換によって取得した資産が引き継ぐことになります。
この特例の適用を受けるためには、次の要件のすべてに該当することが必要です。
自己の所有する土地に借地権等の設定(その設定による所得が譲渡所得とされる場合に限ります)をし、その設定の対価として相手方から土地等を取得した場合には土地の交換があったものとして、この特例の適用を受けることができます。
二以上の種類の固定資産を同時に交換した場合、例えば、土地及び建物と土地及び建物とを交換した場合には、土地は土地、建物は建物とそれぞれ交換したものとされます。 この場合において、これらの資産は全体としては等価であるが、土地と土地、建物と建物との価額がそれぞれ異なっているときは、それぞれその価額の差額は交換差金等として取り扱われます。
一の資産について、その一部分については交換とし、他の部分については売買としているときは、その他の部分を含めて交換があったものとされ、その売買代金は交換差金等として取り扱われます。
固定資産を交換した場合において、取得資産をその交換の日の属する年分の確定申告書の提出期限までに譲渡資産の譲渡直前の用途と同一の用途に供したときは、この交換の特例の規定の適用があるものとされます。
交換の特例を適用した場合における交換差金等を取得した場合についての譲渡所得の金額の計算は、次の算式によります。
交換の特例を適用し、譲渡がなかったものとみなされた部分については、交換譲渡資産の取得費がそのまま交換取得資産に引き継がれることになります。 この計算は次の算式によって行います(所令168)。 (イ)交換取得資産とともに交換差金等を取得した場合
(ロ)交換譲渡資産とともに交換差金等の交付をして交換取得資産を取得した場合
(ハ)等価交換の場合
この交換の特例の適用を受けるためには、交換のあった年分の確定申告書にこの特例を適用する旨を記載し、次の事項を記載した譲渡所得の内訳書(計算明細書)を添付のうえ、所轄税務署長に提出しなければなりません。
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