知って得するセキュリティのはなし その259
既に使用されていないWebページが攻撃…ユーザー等情報最大83万件流出か
1.このニュースをざっくり言うと
- 5月24日(日本時間)、積水ハウス社より、同社会員サイト「積水ハウス Net オーナーズクラブ」が不正アクセスを受け、会員や従業員のメールアドレス等の情報が流出した可能性があると発表されました。
- 流出が確認されたのは、当該サイト会員のメールアドレスとアカウント情報108,331人分(この他漏えいの可能性を否定できないもの464,053人分)、および同社グループないし協力会社スタッフ等のメールアドレスと社内システムログイン用パスワード183,590人分(この他漏えいの可能性を否定できないもの72,194人分)で、被害を受けた可能性がある情報は最大のべ828,168人分とみられます。
- 2008年~2011年に使用、現在は使用されていなかったWebページのセキュリティ設定に不備があり、同21日に当該ページへの不正アクセスを受けたことが情報流出に繋がったとされています。
機器等へのログインについても、管理者・一般ユーザーに拘らず強固なパスワードの設定、想定にないアカウントが有効でないかの確認が重要ですし、加えてID・パスワードのみならず証明書や多要素認証の採用等も検討すべきです。
2.執筆者からの所感等
- 発表では不正アクセスの原因を「データベースを操作するための言語を用いたサイバー攻撃」としており、SQLインジェクションの脆弱性を悪用された可能性があります。
- SQLインジェクションは近年でもECサイトからの情報流出等の原因として挙げられることがありますが、問題となったページが開設された2008年当時には攻撃によるWebサイトの改ざんが頻発し、セキュリティ企業等から注意喚起が出されていました。
- Webアプリケーション開発の時点で、SQLインジェクションをはじめサーバーへの侵入や情報流出等に繋がる脆弱性が可能な限り入り込まない体制をとること、自社や第三者機関でのセキュリティ診断実施による脆弱性等の発見・対策を行うこと、またWAF・IDS・IPSの採用による攻撃の検知・遮断の検討が肝要であり、またWebサイト全体の管理において既に使用されていないコンテンツやページの棚卸しと削除を行うことも、攻撃の余地を残さない意味でセキュリティ対策の一環として考慮に値するでしょう。