自治体と企業をつなぐ。riverが関わった活用事例の紹介
地域と企業双方の持続可能な発展と課題解決を支援するプラットフォーム「river」では、企業版ふるさと納税を活用した様々なサービスを提供しています。自治体と企業とのマッチングもそのひとつで、これまでにも数多くの企業を自治体とつないできました。今回は企業版ふるさと納税を活用した寄付を実施した、鳥取県日南町とエネルギー企業との取り組みについて、双方をつないだriverメンバーである株式会社エッグの福原さんに話を伺いました。自治体や企業との出会いからプロジェクトの進め方、寄付に至るまでの社内審査のフローなどについて紹介します。寄付実施のイメージづくりにお役立てください。
自治体の柔軟な対応が大きな要因に
寄付を受け入れた鳥取県日南町は、面積の約8割が森林という自然豊かな町です。人口は4,000人ほど、高齢化率は5割を超えており、高齢化や人口減少が大きな地域課題となっています。課題解決に対する危機感が強いということもあってか、担当者のフットワークが非常に軽く、即座に判断できない案件はすぐに上長の許可・確認を取るなど、常に柔軟な姿勢で動いていただきました。また、かなり早い時期に町長自らがコミュニケーションに参加してくれたため、その後の意思決定はさらに早まりました。
明確な判断基準をもとに寄付先プロジェクトを探す
一方、今回寄付を実施した大手エネルギー企業は、もともと企業版ふるさと納税を活用した地方創生に興味があり、環境保全のプロジェクトを進めている自治体とのマッチングを希望していました。そこで日南町の取り組みを紹介したところ話が進み、寄付実施につながりました。日南町とは縁もゆかりもない企業でしたが、かなりのスピード感をもって寄付実施に至ったことに驚きました。
エネルギー企業に日南町を紹介するにあたっては、A4サイズ1枚の簡単な資料を作成しました。この資料では、どれだけの寄付でどれだけ二酸化炭素を削減できるのかを数字で示すとともに、イラストなどを活用して寄付の効果を分かりやすく解説しました。この資料が社内決裁に大いに役立ったと聞いており、費用対効果を可視化したことが寄付実施の決め手のひとつになったと考えています。
寄付先選びにあたり、社内審査フローを事前に準備する企業も
じつは、このエネルギー企業は、寄付先を決める際の社内審査フローを先に準備していました。年に2回、春と秋に企業版ふるさと納税を活用した新規事業の社内公募を行うというもので、営業部署などからの応募に対してCSR部門が審査を行い、ブランディングなど企業としてメリットを得られると判断できれば寄付を実施するというものです。そのため、社内決裁がおりた後の動きも速く、早々に寄付が実現しました。
現在、こうした企業は増加傾向にあり、特に大企業であるほど審査基準やフローを明確にしているケースが多いといえます。このようなフローを活用することには、寄付先選びが公平になり、かつ、選定までの時間が大幅に削減できるというメリットがあります。寄付を検討している企業でしたら、このようなフローの導入をぜひ検討していただければと思います。
日南町は、今回の寄付獲得をきっかけに、自治体ができることの可能性が広がるのを感じたといいます。これまで以上に企業版ふるさと納税を活用した事業創出に前向きになり、町が誇る森林資源を活用するための取り組みを進めているところです。
企業版ふるさと納税の中国地方での事例紹介 ~鳥取県日南町×エネルギー企業~