事故にあったとき
事故にあったら
あゆみ:あのね、従業員がね、事故にあっちゃったの。
ケン:従業員の方は、ケガはなかったですか?
あゆみ:うん、ちょっと打撲と擦り傷があってね。入院するほどではなかったけど、病院には行ったわ。
ケン:それは不幸中の幸いでしたね。
それで、従業員の方の過失はありましたか?
また、事故はお仕事中ですか?
あゆみ:うちの従業員の過失はなかったみたいで、事故は仕事以外の日曜日だって。
ケン:一般的なお話として、交通事故の場合には、相手との過失割合によって異なりますが、相手方の過失の場合には、病院の診療報酬は相手方の保険から支払われる場合もあります。
ただし、手続きを取れば健康保険が適用になる場合もあります。
あゆみ:なんかね、最初、健康保険は適用できないから全額払ってくださいって言われたみたい。
ケン:病院によっては、保険の適用を拒否するところもあるそうです。その場合には一旦、診療費全額をお支払い頂き、あとで保険会社に請求することになります。
健康保険が適用できる場合
あゆみ:健康保険が適用できるのはどんなとき?
ケン:健康保険が適用できるのは、業務中や通勤時以外の仕事に関係ない時に事故にあったときです。
もし、仕事中や通勤途中の場合には、健康保険は適用できず、労災保険を適用することになります。
あゆみ:今回健康保険を適用するにはどういう手続きを取ればいいの?
ケン:健康保険組合(全国健保など)に「第三者行為による傷病届」とそのほかの報告書を提出します。
届出書をすぐに提出できない場合は、電話等により健康保険組合に連絡し、後日、できるだけ早くこの「第三者行為による傷病届」を提出します。
あゆみ:ほかの報告書って何?
ケン:他にも届出書として
・負傷原因報告書
・事故発生状況報告書
・損害賠償金納付確約書・念書
・同意書
を提出します。
このうち、「損害賠償金納付確約書・念書」は加害者である相手方が記入する書類です。もし、署名を拒否された場合には、余白に記入できない理由を書けば提出できます。
あゆみ:添付書類はあるの?
ケン:「交通事故証明書」を添付します。
あゆみ:「交通事故証明書」はどこでもらうの?
ケン:自動車安全運転センターです。
事故があった時に警察に届けていれば、後日交付を受けることができます。
健康保険が適用されると?
あゆみ:これって、健康保険が適用されるってことは、その適用された部分の金額について、加害者は支払わなくていいの?
ケン:そんなことはありません。
事故などで相手に加害した場合には、その加害者が治療費などを負担するのが原則です。
健康保険が適用になった場合でも、健康保険組合は後日その加害者に健康保険が立て替えた分について、請求することからこれらの届出書の提出が必要とされています。
あゆみ:それは、安心したわ。
でも、今回は加害された方だったけど、いつ自分が加害者になるかわからないから普段から気を付けないといけないわね。
ケン:はい、おっしゃる通りですね。
私も今回のお話を聞いて、気を引き締めなければと思っています。