集客・マーケティングを考えよう2
報酬設定の自由化以降、過当競争が繰り広げられる戦場と化している業界。開業を実行に移した場合、その中で生き残っていく必要があります。生き残り戦略の肝となるのは、マーケティングや集客です。先行する多くの先輩税理士がひしめいているマーケットに飛び込んでいくには、確固たる戦略が必要不可欠です。今回はSNSなどのオンライン集客について続きを見ていきましょう。
4.ソーシャルメディア
前回お話ししたようにブログを集客・マーケティングに活かすという手法もあります。ブログはずっと残るもので、さまざまなキーワードで検索にひっかかりやすいという特長があります。一方、ここのところ、主役はすっかりSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)へと移っています。主なSNSには以下のようなものがあります。
・Facebook
Facebookを集客に利用する方法です。ブログと似ていますが、Facebookは基本的に仲良い個人同士が交流するスペース(PPC広告の一種であるFacebook広告は除く)。あからさまな商用利用は周囲の反感を買うために注意が必要です。Facebookを仕事に使用する際のコツは共感。Facebook上で周囲が共感できるような情報を発信し、そこからリアルの人脈へとつなげていくという使い方が一般的でしょう。日本では、経営者層の利用割合が圧倒的に多いため、経営者層をターゲットとしたビジネスでの人脈構築に有効です。
・Twitter
Twitter自体で情報発信をしていくというよりも、他の情報発信手段と連動させて情報拡散に利用することで効果が出ます。例えば、ブログと連携させ、ブログの更新をすると自動的にTwitterにブログ更新についての情報を掲載するなどです。
・Instagram
Facebookと機能は似ていますが、Instagramは写真の投稿が中心に据えられているものであり、特に女性に人気となっています。写真の質や腕が重要となっているため、税理士が仕事のPRに使うというのはかなり工夫が必要でしょう。扱うテーマなど、難易度は高いですが、女性をターゲットにするのであれば、挑戦してみる価値はあるかもしれません。
5.自社メルマガの発行
メルマガを定期的に発行して、情報発信をしていく方法です。まぐまぐなどのメルマガスタンドを使用して発行する方法、ステップメールなどのソフトを使用して独自に発行する方法などがあります。ブログもそうなのですが、問題は筆無精にならないかどうか、ネタは尽きないかです。それと一番重要なのは、そもそもどうやって最初のころの読者を獲得するかです。ここはかなりの工夫や予算が必要となります。
6.無料レポート(電子書籍など)
電子書籍などの無料レポートを執筆し、希望者に配信する方法です。誰でも見られるようにオープンにする方法よりも、メルマガなどの読者登録をした希望者にだけ開示する方法が一般的です。ややハードルは上がりますが、amazonのKindleで電子書籍として販売するという方法もあります。
無料レポートを読みたいということは、基本的には濃い見込み客です。出し惜しみは一切せず、彼らが本当に知りたい情報を惜しげなく開示することがポイントといえます。そして、最後に次にどのように行動すれば、彼らのニーズを満たしたり、悩みを解決できたりするのか、誘導するように作成することになります。
7.動画配信
ここ数年、熱いのがYouTubeなどの動画配信サイトに動画を登録して、閲覧してもらう方法です。YouTuberに限らず、普通の士業でもYouTubeチャンネルを開設する人が増えており、そこで話すテーマも幅広いものとなっています。自分が出演して撮影する方法、スライドと音声によるプレゼンテーションを録画できるソフトを利用して収録する方法などがあります。いずれにしても特におおげさなカメラや装置が必要なわけでもなく、低予算で気軽に始めることが可能です。問題は、出るのが恥ずかしいといったことや、動画で話すのは苦手など。人を選ぶ集客・マーケティング手法かもしれません。
8.ポータルサイト登録型
コンサルタント、士業、セミナー講師などの職業別や、起業、経営、相続など、各ジャンルについてのポータルサイトが存在しています。飲食店には「食べログ」がありますが、それの士業版と考えれば、理解が簡単かと思います。
ポータルサイト自体が既にそのジャンルで知名度が上がっている、SEOが効いているなどで、サイト自体に多数の訪問があることが期待できます。開業したばかりの税理士にとっては低コストで効率的に集客を図ることができる可能性があります。
反面、登録している多数のライバルの中で自社が選ばれる必要があります。多数の中で埋没しないだけの尖った光る何かを用意しましょう。ターゲット顧客層のニーズに合った商品・サービスの提供、コピーライテングや魅力的な写真など、やるべきことは多くあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?マーケティング手法はどんどん新しいものが生まれ、ターゲットである個人や会社側としても、税理士を見つけて選ぶ手段は複雑化しています。日々勉強ですね。次回は、オフライン集客について見ていきます。