海外進出企業が注意したい2つの国際税務

2.《タックスヘイブン対策税制》
外国の子会社に対しても日本の法人税がかかる

(12/10/01)

●地域統括会社も適用除外の対象になった!


 特定外国子会社等のうち地域の海外拠点を事業面や物流面から統括する地域統括会社については、企業としての実体があったとしても、適用除外基準を満たすことができないため、タックスヘイブン対策税制の適用対象とされていました。

 例えば、事業持株会社は、傘下のグループ企業の株式保有を主たる目的とするため事業基準を満たすことができず、物流統括会社は、傘下のグループ企業との取引が事業の大半を占める場合には非関連者基準を満たすことができませんでした。

 そのため、平成22年度税制改正において適用除外基準が見直され、地域統括会社も事業基準又は非関連者基準を満たせるようになり、その結果タックスヘイブン対策税制の対象から除外できるようになりました。

 具体的には、事業基準と非関連者基準について、以下の改正が行われました。

 (1) 事業基準については、統括会社に該当する特定外国子会社等は、期末時に有する被統括会社の株式等の帳簿価額が株式等の帳簿価額の50%相当額を超える場合には、株式保有を主たる事業とする特定外国子会社等から除外されることとされました。したがって、事業基準を満たすことができるようになりました。

 (2) 非関連者基準については、卸売業を主たる事業とする統括会社に該当する特定外国子会社等は、被統括会社を非関連者から除いて非関連者との取引割合を算定することとされました。

 したがって、被統括会社との取引が事業の大半を占める場合にも、非関連者基準を満たすことができるようになりました。

 なお、統括会社とは、1つの内国法人に発行済株式の全部を保有される特定外国子会社等で、かつ、2つ以上の被統括会社を有してその被統括会社に対して総括業務を行っており、かつ、本店所在地国にオフィスと従業員を有しているものをいいます。

 また、被統括会社とは、特定外国子会社等に発行済株式の25%以上を保有され、特定外国子会社等とその関連法人に発行済株式の50%超を保有される外国法人で、かつ、本店所在地国にオフィスと従業員を有するものをいいます。

地域統括会社に対する適用除外基準の判定の特例

国際税務.com

前ページ〕 〔メニュー〕 〔次ページ