目次 税制構築法(平成23年12月改正)による改正 VIII-2


2 税務調査手続の見直し

【1】税務職員の質問検査権

 税務職員は、所得税等に関する調査等について必要があるときは、納税義務者等に質問し、帳簿書類その他の物件を検査し、又はその物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができることとする質問検査権に関する規定について、横断的に整備されました。(通法74の2〜74の6)


【2】税務調査において提出された物件の留置き

 税務職員は、国税の調査について必要があるときは、その調査において提出された物件を留め置くことができることとされました。(通法74の7)

適用期日 この改正は、平成25年1月1日以後に提出される物件について適用されます。


【3】税務調査の事前通知

 税務署長等は、税務職員に実地の調査において質問検査等を行わせる場合には、あらかじめ、納税義務者に対し、その旨及び調査を開始する日時等を通知することとされました。(通法74の9、74の10)

通知内容  (1) 質問検査等を行う実地の調査(以下「調査」という。)を開始する日時
 (2) 調査を行う場所
 (3) 調査の目的
 (4) 調査の対象となる税目
 (5) 調査の対象となる課税期間
 (6) 調査の対象となる帳簿書類その他の物件
 (7) 調査の相手方である納税義務者の氏名及び住所又は居所
 (8)  調査を行う当該職員の氏名及び所属官署(その職員が複数であるときは、その職員を代表する者の氏名及び所属官署)
 (9) (1)又は(2)に掲げる事項の変更に関する事項
(10)  当該調査により(3)〜(6)以外の事項について非違が疑われる場合、その通知内容以外の事項についても調査対象になりうること
事前通知を要
しない場合
違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると税務署長等が認める場合


【4】税務調査の終了の際の手続

 調査終了の際の手続について、次のとおり整備されました。(通法74の11)

(1) 税務署長等は、実地の調査を行った結果、更正決定等をすべきと認められない場合には、その調査において質問検査等の相手方となった納税義務者に対し、その時点において更正決定等をすべきと認められない旨を書面により通知します。
(2) 調査の結果、更正決定等をすべきと認められる場合には、税務職員は、納税義務者に対し、調査結果の内容を説明します。
(3) 上記(2)の説明をする場合、その職員は、その納税義務者に対し修正申告等を勧奨することができます。この場合、その調査結果に関し納税申告書を提出した場合には不服申立てをすることはできないが更正の請求をすることはできる旨を説明するとともに、その旨を記載した書面を交付しなければなりません。

適用期日 上記【1】【3】【4】の改正は、平成25年1月1日以後に納税義務者に対して行う質問検査等(同日前から引き続き行われている調査等に係るものを除く。)について適用されます。

 

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