目次 IV-4


4 エンジェル税制の適用特定中小会社の拡大・要件緩和

 個人投資家がベンチャー企業に投資する際に適用する税制上の優遇措置(エンジェル税制)が拡充されます。エンジェル税制では「中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法」に定める「特定中小会社」の株式を譲渡した場合には優遇措置が講じられています。

エンジェル税制の優遇措置

(1) 特定中小会社への投資額について、同一年分の株式譲渡益から控除(平成15年度創設)

 特定中小会社の特定株式を払込みにより取得した場合に、一定の要件の下でその取得に要した費用の合計額を、その年分の株式等に係る譲渡所得等の金額から控除できます。

上記の措置を適用した特定中小会社の株式の取得価額は、上記控除額をその取得に要した額から差し引いた額とします。

(2) 譲渡(現行、上場等)の日において3年超保有していた特定株式を、上場後3年以内又は上場前のM&A等により譲渡したときは、その譲渡益(税負担)を2分の1に軽減

〔適用期日〕 この改正は平成16年4月1日以後に行う特定中小会社の特定株式の譲渡について適用されます。

(3) 上場前に譲渡等による損失が生じたときは、翌年以後3年間の繰越控除の適用(従前の措置)



 このエンジェル税制について改正案では、対象となる特定中小会社の範囲の拡大がはかられ、次に掲げる(1)及び(2)の株式会社が加えられます。

特定中小会社
に追加
(1) 内国法人のうち、その設立の日以後10年を経過していない中小企業者に該当するもので、投資事業組合契約に従って投資事業有限責任組合を通じて投資される等一定の要件を満たす株式会社
(2) 内国法人のうち、その設立の日以後10年を経過していない中小企業者に該当するもので、証券業協会がその定める規則に従って指定をした銘柄(グリーンシート・エマージング区分)の株式を発行する等一定の要件を満たす株式会社

適用期日  この改正は、平成16年4月1日以後に払込みにより取得する株式について適用されます。

 

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