目次 V-1


V.法人税制はこう変わる


1 欠損金の繰越控除制度の繰越期間の延長等

 青色申告法人では当期の所得金額から、当期前5年以内に開始した各事業年度に生じた欠損金を控除できる「欠損金の繰越控除制度」が設けられています。しかし、昨今の不況で赤字会社が増加しているにもかかわらず、欠損金の繰越しは5年で打ち切られるために6年目以降は黒字が出ても繰越控除ができず、法人税等をそのまま納付しなければならなくなります。

 そこで、今回の改正案では青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越期間及び連結欠損金の繰越期間が7年(現行5年)に延長されます。これに伴い帳簿書類の保存期間(現行5年又は7年)についても、現行5年とされている帳簿書類の保存期間が7年に延長されます。

    (現 行)   (改正案)
欠損金及び連結欠
損金の繰越期間
  5年 7年

適用期日  この改正は、平成13年4月1日以後に開始した事業年度において生じた欠損金額(又は同事業年度に係る帳簿書類)について適用されます。

 このように赤字を翌年度以降の黒字と相殺して法人税等を軽減できる繰越控除期間が5年から7年に延長されますが、適用されるのは、平成13年度以降の赤字が対象です。したがって、企業が実際に改正のメリットを享受できるのは平成19年度以降ということになります。

 

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