目次 IV-2


2 商品先物取引の所得に係る申告分離課税制度の導入

―所得税20%、住民税6%の申告分離課税方式に―

 個人投資家による株式譲渡益課税は、源泉分離課税制度が2年間延長されるため、利益が発生したときは源泉分離課税方式を選択し、損失が生じたときは申告分離課税方式を選択することが平成15年3月末までできます。

 これに対して、株式売買と性格は似ていますが、商品先物取引で生じた所得については、現行では雑所得として総合課税しなければなりません。また、この場合、他の所得と合算され、損失が生じたときにも通算できず、株式売買に比較して税務上不公平ではないかとの問題もあり、今回の改正案では商品先物取引に対する所得税・住民税については申告分離税方式とされることになっています。

現 行 改正案
商品先物取引に係る所得 総合課税 申告分離課税

 この課税方式は、土地・建物の譲渡所得と同様、給与所得や事業所得など他の所得と分離し、確定申告で税額を計算します。つまり、株式売買の所得で申告分離課税方式を選択した場合と同様の方式で課税されます。

商品先物取引で
得た所得(合計額)
× 所得税20%  
内、道府県税2%
市町村民税4%
住民税 6%


 改正案
(1)  居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者が、平成13年4月1日から平成15年3月31日までの間に商品取引所法に規定する先物取引(以下「商品先物取引」といいます。)をし、かつ、当該商品先物取引の差金等決済をした場合には、当該差金等決済に係る当該商品先物取引による事業所得及び雑所得(以下「商品先物取引による所得」といいます。)については、他の所得と分離して20%の税率により確定申告を通じて課税されます。

(2)  商品先物取引による所得の金額の計算上生じた損失の金額については、商品先物取引による所得以外の所得との通算及び翌年以降への繰越しは認められません。

 

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