目次 III-3


3.請負契約により建築されている建物と支払対価との関係

Question
 私の父は、建築業者と請負対価5,000万円で工事請負契約を締結し、工事が40%程度進捗した段階で死亡しました。この場合の建築中の家屋の評価額はいくらになりますか。なお、死亡時までに父が建築業者に支払った金額は2,500万円でした。また、この金額が1,500万円であったらどのようになりますか。

Answer
 請負契約に係る建築中の家屋も財産評価基本通達91(建築中の家屋の評価)の定めにより評価することができますので、工事の進捗度合に応ずる費用現価の70%相当額で評価します。したがってお尋ねの場合には、仮に工事進捗度合いに応ずる費用現価が2,000万円 (5,000万円×40%)であるとしますと、その評価は1,400万円(2,000万円((費用現価))×70%)ということとなります。

 次に、課税時期までに支払われた金額と上記の費用現価(70%を乗じる前の金額)との差額は、被相続人に係る債権債務として相続税の課税財産に計上(債権の場合)し、又は控除(債務の場合)する必要があります。事例の場合には次のとおりとなります。

(1) 建築業者への支払金が2,500万円の場合
  2,500万円(支払金)−2,000万円(費用現価)=500万円(前渡金:債権)

(2) 建築業者への支払金が1,500万円の場合
  1,500万円(支払金)−2,000万円(費用現価)=△500万円(未払金:債務)

 

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