目次 II-6


6.賃貸割合を適用した貸家建付地の具体的な評価計算例

Question
 下記のような状況にある評価対象地(賃貸アパートの敷地の用に供されている宅地)の相続税評価額はいくらになりますか。

 ・ 評価対象地の自用地としての相続税評価額……60,000千円
 ・ 評価対象地上には、賃貸アパート(室数は10で、各部屋の独立部分の床面積はいずれも60平方メートル)が存しており、課税時期における利用状況は下記のとおり
(イ)  賃貸借契約により貸付中  ……7室
(ロ)  課税時期の10日前に入居者が退去し、新規に入居者を募集中  ……1室
(ハ)  使用貸借契約により評価対象地所有者の親族に貸付中  ……1室
(ニ)  評価対象地所有者の個人事業に係る事務所として使用  ……1室
 ・ 借地権割合……60% ・借家権割合……40%


Answer
 (1) 賃貸割合の計算
60平方メートル×7室((イ))+60平方メートル×1室((ロ))

60平方メートル×10室((イ)〜(ニ))
=80%

  (注1) 上記(ロ)については、この記述のみで、継続的に賃貸されていた各独立部分で、課税時期において、一時的に空室であった部分に該当するという判断をすることは困難であり、他の事実関係も考慮に入れて総合的に判断する必要があります。(本問では、賃貸されていた各独立部分に含まれるものとして計算しています。)
  (注2) 上記(ハ)及び(ニ)については、使用貸借又は自己使用であるために借家権の目的となっている家屋には該当しないことになります。

 (2) 評価対象地の相続税評価額の計算

  60,000千円×(1−60%×40%×80%)=48,480千円

 

目次 次ページ