目次 II-2


2.賃貸家屋(1棟の独立家屋である戸建住宅)が課税時期において
『空き家』となっている場合の貸家建付地評価の可否

Question
 従来からの借家人が退去し空き家となった直後に課税時期が到来した場合の当該家屋(1棟の独立家屋である戸建住宅)の敷地の評価を行う場合において、旧賃借人の退去後速やかに新賃借人の募集が行われる等、前問に掲げる『継続的に賃貸されていたアパート等で課税時期において一時的に空室であったと認められる部分』に該当するか否かの判断基準の(ロ)から(ホ)の要件をすべて充足しているときには、当該家屋(独立家屋)の敷地についても、前問の取扱いを準用して貸家建付地として評価することができますか。

Answer
 「貸家建付地」とは、貸家の目的に供されている宅地をいいます。また、「貸家の目的に供されている」とは、課税時期において、現実に貸し付けられている(借家権の目的となっている)場合をいうものと解されますので、たとえその家屋が貸付用の家屋として建築されたことが明確であっても、若しくは旧来において実際に入居者が存していたとしても、又は課税時期において入居者を広告募集中であったとしても、課税時期において現実に貸し付けられていませんので、このような家屋の敷地は貸家建付地として評価せずに自用地として評価します。

 なお、一定の要件を充足する場合には、課税時期において実際の入居者が存していない場合でも貸家建付地としての評価を適用するという評価緩和措置は、その貸家に係る『各独立部分(構造上区分された数個の部分の各部分をいう。)』がある場合を前提として設けられた規定であり、ご質問の事例のように、貸家に係る各独立部分を有しない1棟の独立家屋である戸建住宅についてまで適用されるものではありません。したがって、平成11年7月19日付けの『財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)』(課評2−12他)及び情報(資産評価企画官情報第2号(平成11年7月29日))に基づく貸家建付地に係る評価緩和措置の適用は、独立家屋の敷地については一切適用されないことに留意する必要があります。

 

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