目次 I-2


2.空閑地である未分割財産について申告後に分割協議が確定した場合の取扱い

Question
 父の死亡によりその相続人である私と母は、次の土地についてその分割協議が相続税の申告期限までに成立しませんでしたので未分割で申告していましたが、その後分割協議が成立しました。この場合において当該宅地全体の評価額が分割前と分割後とでは異なることとなりますが、どのようにすればよいですか。
 



奥行価格補正率1.00
側方路線影響加算率0.05
 (1)  分割前の評価額
(500千円×1.00+300千円×1.00×0.05)×400平方メートル=206,000千円
 (2)  分割後の評価額
(イ)  私の取得した部分 300千円×1.00×200平方メートル=60,000千円
(ロ)  母の取得した部分(500千円×1.00+300千円×1.00×0.05)×200平方メートル=103,000千円
(ハ)  合計  (イ)+(ロ)=163,000千円

Answer
 わが国の相続税は、相続人等が被相続人から取得した財産の価額に対して課税されることとなっています。したがって財産の価額(評価)は相続等により財産を取得した者ごとにその計算を行うことを原則とします。

 ご質問の場合にはあなたとお母さまの各人が取得した部分をそれぞれ1画地として計算しその合計額を分割後の宅地の評価額とすることができます。

 ただし、このような取扱いをする場合には次の点に留意をする必要があります。

 (1)  遺産分割協議の結果に基づいて速やかに相続登記をするなどして分割をした事実を明確にしておくこと

 (2)  分割後の画地が宅地として単独で通常の用途に供することができるような画地規模を有していること

 

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