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下記の設例に基づいて、被相続人甲に係る各共同相続人の具体的な相続分を計算過程を示して算定してください。
【設 例】 |
・親族図
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(注) |
二男Cは、被相続人甲に係る相続については、家庭裁判所に申述して、適法に放棄をしています。
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・被相続人甲が相続開始時に有していた総資産の価額;……460,000千円
・被相続人甲の遺言書に記載されていた遺贈の内容
(a) 配偶者乙に対して、土地(時価70,000千円)を遺贈する。
(b) 二男Cに対して、株式(時価20,000千円)を遺贈する。
(c) 友人Pに対して、現金10,000千円を遺贈する。
・被相続人甲がその生前に相続人等に生計の資本として贈与していた資産の内容
(a) |
相続開始の6年前に、配偶者乙に対して家屋(贈与時の時価8,000千円)の贈与を受けていた。この家屋はその後、配偶者乙の寝タバコの不始末により全焼してしまったが、もし仮に、相続開始時までこの家屋が現存していたとした場合の時価は6,000千円と推定される。 |
(b) |
相続開始の30年前に、長男Aは住宅用家屋の取得資金として12,000千円の現金の贈与を受けていた。この資金について、現在の貨幣価値に換算すると20,000千円と推定される。 |
(c) |
相続開始の10年前に、二男Cは土地の贈与を受けていた。(贈与時の時価20,000千円、相続開始時の時価15,000千円) |
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被相続人甲に係る各共同相続人(配偶者乙、長男A及び長女B)の具体的な相続分は、配偶者乙が152,000千円、長男Aが94,000千円、長女Bが114,000千円となります。(計算過程については、【解 説】を参照)
【解 説】
(1) 相続開始時の財産
460,000千円−70,000千円(遺贈:配偶者乙)−20,000千円(遺贈:二男C)−10,000千円(遺贈:友人P)=360,000千円
(2) 特別受益額
(a) 遺贈 70,000千円(配偶者乙)
(b) 贈与 6,000千円(配偶者乙)+20,000千円(長男A)=26,000千円
(c) (a)+(b)=96,000千円
(3) みなし相続財産
(1)+(2)=456,000千円
(4) 具体的な相続分
配偶者乙…… |
(3)×1/2 |
−(70,000千円+6,000千円) |
=152,000千円 |
長 男 A…… |
(3)×1/2×1/2 |
−20,000千円 |
= 94,000千円 |
長 女 B…… |
(3)×1/2×1/2 |
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=114,000千円 |
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