目次 II


II.贈与税の仕組み

 贈与税は、個人から贈与により財産を取得した人にかかる税金です。相続や遺贈により財産を取得した場合には、その財産について相続税が課税されます。しかし、被相続人が生前に、配偶者や子供などに贈与によって財産の移転をすると、相続税がかからなくなったり又はかかっても僅かな相続税負担で済むといった場合もでてきます。そうなると、生前に贈与した人と、贈与しなかった人との間に税負担の著しい不公平が生じます。

 このようなことから、贈与税は生前贈与に対して課税措置を講じ、相続税で課税されない部分を補完する目的を持っています。

 すなわち、贈与税の課税根拠は、相続税は、人の死亡によって開始する相続又は遺贈により取得した財産に担税力を認めて課するものですが、生前贈与を非課税としたのでは、容易に相続税回避が可能となり、租税負担の不公平が生じますので、これを阻止し、相続税を補完することにあるとされています。

  《贈与税額の計算式》
    贈与財産の価額−基礎控除額=課税価格
    課税価格×税率−速算表の控除額=贈与税額

 贈与財産の価額は、原則として時価によります。ただし、課税上支障がない場合、不動産等については財産評価基本通達に定める価格(路線価や固定資産税評価額を基礎にして求めます。)によることができます。

 

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