ケース12 |
第4章 所得税の準確定申告のポイント |
ケース12 | 準確定申告の手続き |
生前、確定申告を行っていた被相続人が亡くなった場合、亡くなった年の1月1日から死亡した日までの所得について、所得税の「準確定申告」を行う必要があると聞きました。この手続きとして、通常の確定申告と違う点や、注意すべき点を教えてください。 基本的には、通常の確定申告と同様の手続きとなります。ただし、相続開始から4か月以内が申告期限になる等、準確定申告に特有の注意事項がありますのでご注意ください。 [解 説] 1 確定申告書の付表の添付が必要 準確定申告書を提出する際に、相続人が2人以上いる場合には、各相続人が連署した「確定申告書の付表」(兼相続人の代表者指定届出書)を添付する必要があります。 ただし、準確定申告を行う段階で、取得する相続財産の価額(書式(7)の部分)が決定していない場合には、空欄でも問題ありません。 各人の納付金額(還付金額)は、分割案が未決定の段階では、通常、法定相続分で割り振って計算を行います。 2 相続人が青色申告を行いたい場合 相続によって被相続人の事業を相続人が引き継いだ場合でも、青色申告を自動的に引き継ぐことはできません。よって、今まで青色申告を行っていなかった相続人が事業を引き継ぐ場合には、新たに青色申告承認申請書を提出する必要があります(この提出期限について通常とは違う取扱いになっていますので注意が必要です)。【所得税法第144条、所得税基本通達144−1】 相続により業務を承継した場合の青色申告承認申請書の提出期限
3 純損失の金額の繰戻し 準確定申告において、純損失が発生した場合、その事業を承継する相続人はその純損失を引き継ぐことはできません。 ただし、前年および前々年において被相続人が青色申告を行っていた場合には、相続開始年に発生した純損失について、前年および前々年の所得税の繰戻し還付請求を行うことができます。【所得税法第141条】 Check!
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