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I−8 事業計画書への記載事項と収支予算書の作成(予算編成) |
前問で説明したとおり、事業計画書は事業目的達成のために各事業年度で実施する事業を具体的に記載したもので、収支予算書は、その事業計画書を財政的に裏づけるものです。 以下に事業計画の立案から予算の編成までの手続を具体的に説明します。
NPO法人が定款で定めている目的を達成するためには、同じく定款で定めている事業を効果的に実施することが大切です。 そのためには、単年度ごとの計画をその都度考えるのではなく、NPO法人をとりまく社会的、経済的な環境を十分に把握し、外部環境の変化に対応できるような、長期的展望に基づく中長期事業計画を策定する必要があります。 事業年度ごとの事業計画は、この中長期事業計画を単年度に落とし込む形で立案します。 この際に、留意すべき点は、定款の目的及び事業と整合性がとれているかどうか、前事業年度の事業計画の達成状況を考慮したうえで、中長期事業計画の一環としての当該事業年度の位置づけが明確にされているか、事業が事業年度内に終了するように実施時期を具体的に定めているか、財政上の資金の裏づけが明確にされているか、といったことです。 具体的には、当該事業年度の事業活動の計画としてその年度に実施を予定する事業の内容を中心に、人員の異動計画、資金計画、会議等の予定を記載することになるでしょう。 様式については、特に定められたものはありませんので、メンバー等の利害関係者への情報開示を考えて、それぞれの法人が内容を工夫すればよいと思います。
収支予算は、当該事業年度の事業計画を具体的に資金の収入及び支出として計数化し、資金の裏づけを明らかにしたものです。 ここでは、事業計画から収支予算を作成する流れを具体例で説明します。 実際には、事業計画書と収支予算書をならべた対比表を作成する必要はありませんが、次のように、両者の対応関係を考えてそれぞれを作成します。
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